岡山、福山地区で人材派遣業を展開している(株)パソナ岡山(岡山市駅前町1-1-25岡山会館ビル、資本金三千万円、小川史郎社長、四十人)は、これまでの人材派遣やアウトソーシング事業に加え昨年から新たに始めた人材紹介、新卒派遣、紹介予定派遣、企業からの依頼による再就職支援の四事業展開による業容拡大に合わせてこのほど、同所の本店と福山支店(福山市延広町1-25明治生命福山駅前ビル、TEL0849・25・5333)のフロアを拡張した。
本店ではスタッフの登録や面接などのスペースを確保したことなどにより事務所フロアを四百五平方mから五百八十平方mに拡張、スタッフや派遣企業情報を保存・交換する専用室や再就職支援室も新設した。福山支店でも再就職支援に加え、新卒者試験などにも活用できる研修室を拡張したことなどにより百五十八平方mから二百三十七平方mに拡張、各区画の余裕スペースも確保した。
同社は昭和五十八年、人材派遣業で国内大手の(株)パソナ(旧社名テンポラリーセンター)と(株)クラレとの合弁会社として「(株)テンポラリーセンター岡山」の名称で設立。同六十三年に福山支店を開設後、平成九年、現社名に変更した。本社と福山支店のほか、本社の地域出張所として倉敷オフィス(岡山県倉敷市阿知1-7-2-702、TEL086・426・5330)を設置している。
福山支店も統括している小川史郎社長は「昨年、新規事業を一斉に起ち上げ、取り扱い業務も広範囲になりました。また登録スタッフや派遣先企業などのニーズに合わせたきめ細かい業務体制も更に充実しました。人材派遣を柱として過去四年間の実績と同様に、更に四年間後の売上倍増を目指します」と意気込みを話す。
同社ではインターネットのホームページもこのほど、リニューアルオープン。仕事情報などの最新情報を発信している。URLはhttp://www.pasona-okayama.co.jp。
岡山県笠岡市で北木島間までの旅客フェリー「金風呂丸」を運航している海上旅客運送業の藤井一彦さんは一日から、広島県尾道市と愛媛県越智郡弓削町を結ぶ一般旅客定期航路の運航を開始。起点の尾道駅前桟橋では、同航路第一便の弓削港始発に乗船し来尾した木下良一弓削町長や藤井さんらを、亀田良一尾道市長ら約四十人が迎えて歓迎セレモニーを開催、瀬戸内しまなみ海道開通以降、初めての新規航路を祝った。
同航路には、藤井さん所有の小型フェリー「ゴールドフェニックス」(総トン数十九トン、定員九十人)が通常使用する船として就航。尾道駅前桟橋を起点に、尾道新浜と因島土生に寄港し、弓削港が終点。運航回数は九月十五日までが一日七往復。同十六日から翌年三月三十一日までが一日六往復。所要時間は約四十八分。旅客運賃は尾道・弓削間で大人片道九百五十円。因島土生・弓削間では、普通車を六台まで積載可能。普通自動車運賃は片道千六百三十円。
尾道市港湾振興課では「今回開設された定期航路により、当市と弓削町との交流が活発になることを期待しています」と話す。同航路は、橋が架かっていない弓削島住民が本土へ通院、通学するためや架橋沿線の振興のために、地域住民から強い要望が出ていた。川上さんは「家族を中心とした運航体制で経営努力を重ねて、一日でも早く採算の取れる航路にしたい。航路沿線の自治体や住民の皆様のご支援をお願いいたします」と期待を話す。
一般住宅、店舗設計・施工の(有)繁森建設(福山市御幸町中津原639-4、繁森隆義社長)は、神石郡三和町にあった築後百年以上の民家を譲り受け、平成十二年八月、同町内の別荘地「三和の森」へ移築し再生。モデルハウスとして活用すると同時に現在、社内に「民家再生工房」を設置、古民家リサイクル事業を本格化している。
再生したモデルハウスは、古民家を手作業で解体し古材を回収。浴室や洗面所、トイレなどを新装するなど約六か月を掛けて再生。外観は古民家をほぼ再現、玄関に続く板場の居間中央には、いろりを配置。天井は無く、屋根裏まで吹き抜け構造。他には和室が二部屋と押し入れ、広縁、テラス、一部二階には屋根裏部屋もある。
同社は現在、同ハウスの隣接地に築六十年、約百平方m規模の納屋に使われていた古材で、二階建て(一部地下一階)、床面積約七十五平方mの「蔵」を新築中。六月には完成し、「本宅と蔵」をイメージした再生モデルハウスを実現。同時に「蔵」でも古民家一日体験(日帰り)や一泊二日の体験コーナーなどを開設する。
日本民家再生リサイクル協会正会員の繁森隆義社長は「先人達の思いがこもり、柱など木肌に落ち着いた味わいを持っている古民家を壊し捨てることなく、再び古材を再生リサイクルし現代によみがえらせたい。最近増えてきた古民家や古材ニーズに対応するため、『古材バンク』の設立に取り組みたい」と話す。
同社では、古民家に住みたい方や古民家風にリフォームしたい方からの相談を受け付けている。TEL0849・55・5599、インターネットのホームページURLhttp://www.thr.co.jp/minka。
小津安二郎監督の代表作「東京物語」(一九五三年公開)のロケ地となった尾道で三日、瀬戸内シネマネットワーク(青木忠代表=因島市)の主催で「『東京物語』尾道会議」が開かれた。
映画評論家の白井佳夫さんがしまなみ交流館で講演、その後、二十五人のファンとともに、浄土寺や監督が宿泊した竹村家など市内のロケ地十六か所を回り、映画の各シーンを回想した。
東京物語は情緒豊かな港尾道の老夫婦が東京の子供たちを訪ね、忙しさに歯車の合わない家族像を描いた名作。出演は笠智衆、東山千栄子、原節子ほか。今後は小津監督のファンとして知られるドイツのヴィム・ヴェンダース監督を招いた「OZU映画祭」の開催も計画している。
瀬戸内シネマネットワーク(連絡先TEL08452・2・7135)は五、六日の二日間、因島市芸予文化情報センターで映画「親分はイエス様」の斎藤耕一監督、元ヤクザで知られる中島哲夫宣教師、映画評論家の白井佳夫さんらをゲストに招き、講演やフリー討論の特別企画も実施している。
企業や行政、大学、福祉関係団体など五十五団体で構成する広島県福祉関連産業創生プロジェクト推進協議会(会長=土肥信之広島県立保健福祉大学学長、事務局=県商工労働部新産業振興室、TEL082・228・2111)は七月から、広島県福祉関連産業創生情報システム「コクーンHiroshima21」の運用を始める。
同システムは平成十二年から整備、検討を重ねているもので、インターネットや広島県の公共情報通信基盤「広島メイプルネット」を活用、製造会社、卸・小売店、各種団体、自治体、福祉サービス会社、生活者などをネットワークし、それぞれから発信される福祉関連情報などを基に、新しいサービス(産業)創生を目指そうとしている。
具体的には、製造会社や卸・小売店、福祉サービス会社は、同システムから消費者ニーズ情報などを収集し生きたビジネス資源として生かし、各種団体や自治体は、同システムにフォーラムや告知(掲示板)及びフリーマーケットの場を提供することで、生活者と地域住民らのコミュニケーションを促進する。生活者にはパソコンや携帯電話、専用端末機などにより、情報配信システムの構築や福祉用具情報、バリアフリー情報なども提供する。
同推進協議会には、県や県立保健福祉大学、(株)モルテン(広島市)、三原市など十一団体で構成する幹事会を置き、会の運営と事業PRを行うほか、「サービス事業委員会」と「研究開発委員会」を設置する。サービス事業委員会で具体的な事業を展開しながら、研究開発委員会で福祉用具の研究開発体制の整備とプロジェクト推進を図る。
事務局の県商工労働部新産業振興室では「七月から同情報システムを稼動させる予定です。当協議会の構成企業を見ると、県内の地場企業の参加が少ないのが現状です。当協議会の趣旨に賛同していただける地場企業の参加を期待しています。入会無料です」と呼びかける。
今年度の事業活動は、サービス事業委員会がコクーンシステムの活用方策や同事業の具体化などを協議。研究開発委員会は共同研究開発テーマの検討や県の研究開発支援制度を活用したプロジェクトの推進などを計画している。
今後、市場が大きく成長すると見込まれる「福祉関連分野」で、産・官・学・民(利用者)によって育まれる21世紀型のコクーン(繭)に期待したい。(M)