びんごトピックス  2001年5月30日号


福山ばら祭 2日間68万人でにぎわう

「福山ばら祭2001」が十九、二十日の二日間、福山市緑町の緑町公園、花園町のばら公園周辺を中心に多彩なイベントが繰り広げられ、二日間で六十八万人の人出があった。

緑町公園に昨年完成したばら花壇には百九十種、五千本のばらが咲きそろい、頂上には約千二百人の市民が切り花五千本を持ち寄って完成させたばらのオブジェが大勢の観客を迎えた。初日は約一万人の前で人前結婚式「ローズウェディング」も行われ、笑顔でのオープニング。二百八十種、五千五百本のバラが満開のばら公園も大勢の人でにぎわった。

ローズアリーナ正面前には広島県内の地場産品を販売する模擬店が並び、緑町公園広場には「ばらのステージ」と多種多様の飲食ブースが並ぶ「くいしんぼ広場」がにぎわった。ばら花壇下にはばらグッズと認定された商品を販売する「ばらグッズミュージアムショップ」が設営され、しまなみ海道の吉海町バラ公園の関係者もバラ産品を持ち込んだ。

ローズアリーナ内ではバラの写真展、バラのアレンジメント作品展のほか、切り花を審査するばらコンテストもあった。コンテストには百八十二点、四百六十本の切り花が集まり、三十二の賞を選び期間中展示された。

ばらのステージではジャズやポップスなどの音楽愛好家が演奏する音楽イベント「ロサファンタジーナイツ」がばら祭前の十七日夜から十九日までの毎夜、音楽演奏でムードを盛り上げた。十九日夕刻には若者に人気の歌手、知念里奈さんのニュージェネレーションコンサートで盛り上がった。

霞町の中央公園では中国、韓国、ベトナムなど十二か国から三十八店が出店して料理、雑貨、芸能などが楽しめるアジアンマーケットがにぎわい、福山駅から緑町までの商店街には約百八十店舗が並ぶ「日本最大のフリーマーケット」が骨董品や雑貨、衣料などを販売、にぎわった。商店街では大道芸やストリートミュージックなど多様なパフォーマンスもにぎわいをつくっていた。また九か所のチェックポイントを回る史上最大のタウンウォークも商店街で行われた。

ばら祭のフィナーレを飾るローズパレードは二十日午後に行われ、二十七団体約二千二百人が参加。ばら公園周辺の沿道を埋めた観客から拍手を受けた。ゴールデンローズ賞は五十三人で参加した千月新体操クラブだった。

今年はこれまでの三日間開催を二日に短縮、人気歌手のコンサートも一つに絞り、浮いた費用で福山駅と緑町公園を結ぶ無料シャトルバスを運行させ、市内の渋滞緩和に努めた。



尾道市がふとんの乾燥消毒サービス開始

尾道市(亀田良一市長)は二十四日、ふとん乾燥消毒サービス車の寄贈を受けたことから、市内の高齢者世帯などを直接訪問して寝具の乾燥消毒を行うサービスを始めた。

寄贈された専用車両は車長四・二八m、車幅一・六九mの千八百ccガソリンエンジン車。二人乗りで後部に布団など寝具を乾燥消毒する処理ボックスを備える。ボックスには布団などを吊り下げるスライド式のフックがあり、布団を簡単に出し入れできる。

乾燥消毒は灯油による熱交換方式の熱源を利用、高温、低温の二モードを選んで温風循環により一時間以内で乾燥させる。消毒はヒノキチオールを使う。車の座席と処理ボックスの間に熱源や発電装置、制御盤などがある。

市が始めるサービスは社団法人尾道市シルバー人材センター(TEL0848・20・7700)に委託されており、利用料は掛け布団や敷布団、マットレスなど寝具四枚程度が一回当たり二百円。同じ人が年間四回まで利用できる。サービスは高齢者の介護支援を目的としており、利用希望者は民生委員、在宅介護支援センター等を経由するか、市の高齢者福祉課に申請する。

乾燥消毒により、各種病原菌の消毒に加え、乾燥によるふわふわとした感触、脱臭効果、ヒノキの香りによるリラックス効果などが期待される。


因島市の小川工務店がISO9002の認証取得

(株)小川工務店(因島市重井町5800-20、資本金五千万円、小川佳孝社長)はこのほど、土木工事及び建築工事の施工を対象にISO9002を取得した。

認証機関はBSIジャパン。認証は今年四月十八日付け。昨年四月のキックオフから管理グループ営業課を中心に、社内業務の文書化、標準化など認証取得に向けて取り組んだ。認証範囲は本社及び開設している生名支店(愛媛県越智郡生名村)。

同社は昭和三十一年七月に同市土生町で創業、五年後の三十六年に法人設立、同六十三年に現在地に新社屋を建設して移転した。

最近は平成十二年八月に完成した市内の県営住宅を施工、土木では護岸工事などに実績を重ねている。年商は約十億円規模。

今年四月にはISO認証取得を引っ張ってきた小川豊治前社長が急逝、跡を受けて副社長だった小川佳孝氏(40)が四月二十八日付けで社長に就任している。


竹原市沖の海遊園が釣り堀スタート

竹原市沖の大崎上島最北端の東野町でクルマエビ養殖と海の生物と触れ合える自然体感園を開園している(有)海遊園(豊田郡東野町37-2、堀江保社長)はこのほど、同所にあるエビの養殖池を利用して自然に近い環境で成長したチヌやスズキ、ギザミなど近海魚の釣り堀を今年から始めた。天然物の釣りに近い手応えが楽しめることから、太公望の注目を集めている。

釣り堀は、海で産卵・孵化(ふか)した魚類や甲殻類をクルマエビの養殖に使用していた広さ約一・六haの池に自然導入し、一部魚の種苗も移放する。その後米ヌカやバクテリアなどを同池にまくことで、自然に繁殖した小生物やプランクトンが餌になり、自然に近い環境で成長する仕組み。同池には釣り堀用に現在、約二十〜三十pにまで成長したチヌやスズキ、ギザミ、ヒラメなど約十五種類の魚が生息している。

釣り堀は入場料大人一人三千円、十五歳未満は一人二千円。予約制で一日十人まで。釣れるのは四時間。釣具はレンタル可能で、餌付き一式五百円。自前の道具や餌の持ち込みもできる。釣り上げた魚は全て無料で持ち帰り可能で、送料自己負担で宅配便も利用できる。申し込み・問い合わせはTEL08466・5・3356まで。

大崎上島の生産者たちでつくるFFアイランド大崎会に所属し、地元産品のPR活動でも活躍している同社の堀江保社長は「釣り堀など自然体感園事業は、当社が管理している施設を活用して、都市部に住まわれている人たちや地域の子どもたちに、海と親しむ場を提供することが目的です。ぜひ一度お越しください」と呼びかける。

(有)海遊園は、平成十二年三月に閉鎖したダイヤ養殖(株)(三原市)が経営していた養殖場跡地に、平成十二年六月、同所の閉鎖を機に退職した元場長の堀江保さんが地元の有志三人と設立。同所には四区画に仕切った養殖池があり規模は合わせて約十ha。その内の一区画(約三・四ha)で粗放・有機栽培したクルマエビを十一月から三月にかけて、個人の自家消費向けに販売している。

また同社はクルマエビ養殖以外にも他の三区画の養殖池を利用して、今回の釣り堀のほか三月から四月まで開園する魚すくい・カニ取り企画を「自然体感園」と名付け、二区画で広さ約五・〇haの養殖池を有料で開放している。また同施設の隣接地に今年二月から、ブルーベリーやミカンなど柑橘類を植栽し、フリーゾーンとして果樹園などの整備も進めている。



こぼれ話  2001年5月30日号

おいしい水道水と備後のかおり風景

六月一日から七日までは水道週間。そして六月五日は環境の日。生活に欠かせない水だが、水道水を直接飲む人が減ってミネラルウォーターを飲む人が増えている。

サントリーのミネラルウォーターレポートによると、二〇〇〇年のミネラルウォーター市場は約百九万キロリットルで、日本の国民一人あたりの年間消費量は八・六リットル。ブームに火がついた一九八九年以後、ほぼ急角度の右上がりで伸び続けている。

サントリーの商品「南アルプスの天然水」もこの十年間で十六倍近く伸び、昨年は千六百九十万ケースを販売。失われた十年と言われるバブル崩壊後の市場だが、一方では巨大市場が誕生している。社会の成熟度が進むと健康や安全性が商品になる。その典型がミネラルウォーターだろう。

レポート内のアンケート調査では、ミネラルウォーターを飲むようになったきっかけは「おいしい水が飲みたくて」七一・四%、「水道水に不安」四三・六%となっている。ミネラルウォーターの用途も「そのまま飲む」八四・二%に続き、水割りの水、製氷用の水、日本茶・コーヒー・紅茶の水、水出し麦茶などの水、ごはんを炊く水…と続き、三・六%の人は歯磨きの水もミネラルウォーター利用を希望している。

調査は都市部の二十〜五十九歳の男女五百人に聞いた結果だが、当地域でも芦田川の汚染など、水源への不安は高まっている。福山に住む人からは「水道水は飲めない」と聞くことも多い。おいしい水とまではいかずともいつまでも安全な水を願うばかりだ。

余談になるが、水道水をおいしく飲みたい人には、透明の瓶に入れふたをせず、一時間ばかり日光に当てた水道水がお勧め。紫外線の作用で塩素が分解され、カルキ臭のない水になるそうだ。

話は環境に変わるが、環境庁が初めて「かおり風景一〇〇選」の募集を始めた。花や潮、土の匂いに限らず、酒造蔵やお寺のお香、香りの漂う伝統行事、祭りでもいいという。

尾道なら造酢の甘酸っぱい香りが漂う水尾町などを思い浮かべる。三原なら酒蔵、因島なら潮の香りの船着場、松永なら畳表の匂う工場、新市なら藍染めの香りなど、備後の産業を香りで思い浮かべるのもおもしろい。香りの漂う風景は澄んだ空気が条件となる。かおり風景一〇〇選は環境の大切さを思わせるいい企画だと関心させられる。備後のうまい水道水も選んでみては…(J)

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