びんごトピックス  2001年7月30日号


三原バスが新鋭大型観光バスを導入

中国バスグループの三原バス(株)(三原市沼田東町本市414-1、資本金三千万円、竹内功社長)はこのほど、新鋭大型観光バスを導入したのを機に利用促進のパンフレット、リーフレットを作成、三原市以西を中心に得意先などへの配布を始めた。

今年五月に導入した大型バスはいすゞ製のスーパーハイデッカーで四百五十馬力五十三人乗り(正席四十五人+補助席八人)。車内の後部二列のイスは回転式で、窓を背にぐるりと顔を見合す車座の配置に変更することもできる。最新鋭の通信カラオケ設備も導入した。安全面でも車間距離センサーを搭載している。

また昨年から導入しているバスのロゴマークを新しいデザインに変更。バスの横側に描いた。

同社は大型観光貸切バスを主力に大型バス十五台、中型バス一台を保有、広島空港が営業エリア内にある強みを生かした地域観光を独自に掘り起こしながら、県内事業者が平均で一八%減少している中、拡大を続けている。

同社は、平成四年三月に三原市交通部観光貸切部門(観光バス二台)を譲渡して発足した観光貸切専門のバス会社。昨年三月期の売上高は二億千八百万円、今年は二億六千万円。売上高三億円突破を目指して車両の導入も積極化させている。

竹内功社長=写真は「広島空港と高速道路が結節する地の利を生かしネットワークを広げたい。今年度から海外、国内旅行事業部門を新設、バス会社の旅行業として様々なお客様の要望に応えていきたい」と意欲を話す。

また竹内社長は中国交通(株)(尾道市天満町14-11)、富士交通(株)(三原市沼田東町末光3058)の社長も兼務している。中国交通は従業員三十六人でタクシー十八台、観光バス十台などを運行しており、富士交通は従業員五十四人でタクシー五十台(一台は福祉タクシー)などの運行を行っている。


福山初のセルフ給油店舗 セルフステーション新蔵王SSオープン

福山初のセルフ給油ステーション「エネオス セルフステーション新蔵王SS」(TEL0849・45・8002)が八月二日、福山市南蔵王町五丁目8-9の国道一八二号線沿いにオープンする。

同SSはガソリンのレギュラーとハイオク、軽油、灯油をセルフサービスで低価格販売するガソリンスタンド。自動車給油装置は四基で八台が同時給油可能。灯油は二基四缶。自働洗車装置もセルフで作動させるものが二機。ほかに車検もできる認証工場の自動車整備ピットがある。

給油は定額給油で、紙幣を入れてから金額分の量を注ぎ、入り切らなかった場合の残金分は次回利用可能なプリペイドカードで返済する方式。二千円札を除く(両替機では利用可)千円、五千円、一万円の紙幣が使用できるが、釣銭は出ない。カードは利用ごとにポイントが付き、一定量でキャッシュバックされる。

給油等は二十四時間営業の無休だが、ピットは午前九時から午後八時までの営業。

同SSではオープンから八月十五日までの期間、お試しフェアを開催計画。期間中はスタッフが操作方法を説明するほか、通常より高いポイントサービスを行う。

なお、エネオスマークでは中国地方でもほぼ同時開店の岩国店を含めて二店舗目。


ヒロボーが無線TVカメラ搭載可能な無線ヘリデモフライト

無線操縦ヘリコプター世界最大手のヒロボー(株)(府中市本山町530-214、松坂敬太郎社長)は十九日、リョービ(同市)のグランドで撮影用カメラを搭載できるラジコンヘリコプターのデモフライトを行った。

同社は来年四月から無線ヘリによる動画、写真の撮影受託事業を始める。五年ほど前から研究を始め、このほど同市目崎町に新事業推進室も設置した。六月二十〜二十二日に東京で開催された「測量設計システム展2001」では、測量会社や設計会社約八十社にアンケート、問い合わせもかなりあったという。NHKの生放送番組でも、既に同社の無線ヘリが撮影に使われている。高度は百mまで、直径はヘリオペレーターの技術にも左右されるが二百〜三百mは操作可能という。基本的にヘリオペレーターとカメラオペレーター、補助員の三人体制で操作する。

「人間の位置では撮影できず、実機でも撮影できない場所で活躍できるロボット(無線ヘリ)」でスポーツなどの試合中経や災害情報、自然環境調査など、ピンポイントの撮影が可能という。


ドリームアプリがトト支援ソフト「totoSHOT」開発

四月に新設されたばかりの(有)ドリームアプリ(福山市松永町4-9-19、資本金三百万円、高橋光伸社長)が開発した本格的toto(スポーツ振興くじ)支援ソフト「totoショット」が七月二十日、啓文社ほかで発売開始された。

totoショットは、岡山などでプログラマーとして十数年ソフトウェア開発に関わってきた同社長が、以前に趣味の競馬のために自ら制作し、光文社(東京)から発売された競馬予想ソフト「ウイニングアイ」を応用した。ソフトはカード型のCDロムで、totoに必要な、最新の試合データをインターネットでダウンロードし、それを基に予想する。サッカーボールの個数で強さを表現するなど、サッカー、Jリーグに詳しくない人でも気軽に楽しめるという。

発売は(株)ベッセル(福山市)に委託し、標準価格は千九百八十円(税別)、三回分まで最新のデータを無料でダウンロードでき、四回目からは月額三百円を払う。各取扱店でtoto予想マークシートが販売されるレジの横に置かれる。八月下旬には全国に向け発売される見通し。

高橋社長は「過去の戦績など基本データの分析はもちろん、最新のデータを予想に生かすことができ、自分の投資管理も簡単です。totoショット独自の視点による分析も見れますので、toto愛好者からサッカー初心者まで多くの人が楽しめます」と話す。



こぼれ話  2001年7月30日号

食品業界も戦国時代 1位あって2位なし

アパレル業界を震撼させたユニクロ商法だが、食品業界でもユニクロ現象が懸念されている。

ある食品メーカーの社長は今後について「一位あって二位なし」の下克上を予想する。食品は味が勝負で価格だけでは勝負が付きにくい世界。それに加えて不況にも強い業種だと言われてきた。ところが、今回の低価格競争(デフレ)はグローバルな戦い。食料を原料として輸入してきたこれまでは、国内の食品メーカーにとっても原材料の低下につながり、競争力アップに働いてきた。が、今回は様子が違う。原料ではなく、商品となって輸入されてくる。

これまでの海外食品は、日本人の口には合わない、単に珍しい味に過ぎなかった。しかし今回は日本の大手メーカーが海外で作らせた、日本風味の味。大手の研究力を駆使した、消費者好みの味が、低価格商品となっている。

妥協して(高級品より安いという理由で)買っていた商品より、素直に欲しい(おいしい)と思う商品の方が、価格も三割以上安い…という現実。そうしたユニクロ現象が、味や安全という非関税障壁に守られてきた食品業界でも始まろうとしている。

これまでもそうした商品はあったが、それは序の口。本番はこれからで、その兆候がポツポツと現れ始め、「一位あって二位なし」を予感さるという。十人十色の好みにも細かく対応した商品を開発し、中小企業が得意とする数億円規模の市場にも容赦無い。

巨大化したスーパーも不況の波をかぶり、中小の食品メーカーには付き合い難くなっている。納入条件は厳しさを増し、売れる売れないの判断による変更も頻繁。もう少し消費者が親しめば売れ始めるはず…というじっくり戦略は通用せず、新商品を育てるチャンスにも恵まれない。

全国の消費者のデータをリアルタイムでつかみ、変化を先取りする分析力をもった大手メーカーの市場支配力は高まり、今までは考えられなかった商品でも下請け企業を海外に求めている。

まさに下克上の戦国時代に突入しようとしているが、その前に中小企業同士によるサバイバル競争の激化も予想される。これまでは取引先との付き合いの濃さこそが営業力だった中小企業は、商品力が三割以上違うライバルとは戦えない。そこで同業他社の取引先を奪う競争こそが、生き残りの最短コースとなり、虎視眈々と同業他社の動きに注目することになる。

しかし日本の風土では露骨な営業はやり難い。虎の狙う情報とは、企業体力はもちろん、経営者や営業トップの健康など。酷暑の中、体に鞭打っている経営者の方も多いと存じ上げる。健康こそ、サバイバル競争の原資。心より暑中お見舞い申しあげます。(J)

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