びんごトピックス  2002年1月20日号  表紙写真


大信産業がISO9001・9002認証取得

農薬、農業資材販売などの大信産業(株)(尾道市山波町128-1、資本金五千万円、田中康貴社長、TEL0848・46・0714)は昨年十二月七日、品質マネジメントシステムの国際標準規格ISO9001と同9002の認証を、本社と十営業所で一括取得した。
認証機関はIQNet(国際認証ネットワーク)とJQA(財団法人日本品質保証機構)。範囲は、ISO9001が農薬請負散布業務の設計・開発、散布及び展示圃の設計・開発で、同9002は農薬、肥料、農業用資材及び緑化資材の販売及び簡易型ハウスの組立。今回取得したのは一九九四年版で、今後は二〇〇〇年度版にバージョンアップしていく計画。社内組織や文書の整理などを目的に、一年前から取得準備を進めていた。農薬を主とする卸業では日本初の認証という。
田中社長は取得目的を「社内の活性化」と話し、ISOで規定する経営者の責任に「私たちは幅広い情報力と高い技術力を発揮し、お客様の満足する最良の商品とサービスを提供します」と記載、「倉庫の整理整頓など目で見える違いが現れた」と効果を実感している。
また、同社は現場にマッチする農薬を実地検証するため、中四国地方を中心にメーカーや農家と協力して年間三百〜四百か所の展示圃または確認圃を設計しており、細かな議事録を作成している。その議事録にもISO効果が現れ、メーカーの信用が高まっているという。
同社は尾道、福山、因島、竹原、東広島、広島、庄原、今治の各市に営業所を持ち、緑化部の営業所を尾道市と広島市に置いている。年商は約四十一億円。従業員七十人。


セイムが関連会社ダイフク興産を合併

総合建設、住宅、梱包の(株)セイム(三原市皆実四丁目8-6、資本金五千万円、福戸山裕弘社長)は、昨年十二月に関連会社のダイフク興産(株)(同市長谷町388、資本金五千万円、福戸山益己社長)を合併し、PC事業部として新発足した
ダイフク興産は、昭和四十八年創業のコンクリートビル外壁、大成パルコン版の製造工場。最近は大成パルコンは全体の約二〇%、八〇%は大手ゼネコン各社へ中高層ビルの外壁として納入している。販売エリアは関西圏が中心で、最近では京都駅や倉敷市の川崎医大等の建設に使われている。県内ではリーガロイヤルホテル広島、広島ターミナルホテル広島市立大学、代々木ゼミナール広島学園、広島市北庁舎、福山そごう呉そごう、新広島テレビなど多くの施工実績がある。最近の年間売上高は十二億円。今後はセイムのPC事業部として事業は継続される。創業三十周年を迎えている。
今回の合併により購入資材の一括発注や労働力の適正配分による稼働率の向上、合理化など合併メリットに期待している。合併後の初年度売上高は六十億円、経常利益一億八千万円を目指す。
セイムは、昭和二年、カネダイ運送店橋本組として創業、二十二年に(株)橋本組に組織変更、総合建設業を加える。三十四年に梱包事業を始める。四十八年にダイフク興産(株)設立五十一年に広島支店開設、五十三年に大成ハウジング中国(株)設立、五十九年に岡山営業所開設、六十二年に新工法のコンクリート住宅クリエール開発、ハウジング事業の本格的に進出。平成九年に創業七十周年を迎え、CIを導入、シンボルマーク、カラーを一新、現在の社名に改称した。平成十二年十一月には信用保証協会の保証付き私募債一億円を発行している。翌十三年二月には本郷工場内に梱包工場の増設を完成した。
同社は建設、梱包、土木、PC、ハウジング、不動産、広島支店、岡山営業所でそれぞれ事業部として独立採算制を採用している。
中長期的には、PC事業部の新工場建設、本社事務所の移転、梱包事業部の工場統合など全社的な見直しが検討されるとしている。
現在の施工物件の主なものは、国の能力開発センター、市立中之町小学校新築工事(共同企業体)を施工している。


三和ドックが十五億円かけた拡充関連工事完了

(株)三和ドック(因島市重井町600、資本金七千万円、寺西勇社長)は昨年四月、2号ドックの拡充工事を完成、入渠能力を三千DWから一挙に四倍の一万二千DWに拡大し、名称も3号ドックに改称したが、引き続き関連工事としてドックサイドのクレーン大型化工事と増設工事を完成、内業工場、仕上工場、鉄工工場・木工工場・甲板仕上工場の三棟の建設工事を昨年十二月中に完成一連の船舶大型化対応工事を完了した。3号ドックと関連工事の完成で十二月二十一日竣工式を行い完成を祝った。これにより既存の七千DWドック、一万七千DWドックと合わせ三基のドックが、大型の内航船や幅広の近海船に対応できることになり修繕船受入体制が確立されたこれにより海運会社の最適スケジュールに沿った施工が可能となり、各ドックの稼働率の平準化、工事の合理化、業界での競争力も強化されると期待されている。
海運業界は輸送業務の合理化を狙いに内航船は大型化、近海船が船体の幅広化を急速に進行しており、同社ではこれら海運業界の動向に対応するため十五億円をかける大型投資に踏み切ったもの。
完成した新工場は、鉄骨造り一部二階建て、延べ床面積二千九百十九平方m、平屋部分は天井高が約二十m、十三人乗りエレベーター一基も設置、人員の移動を合理化、屋上の千百六十五平方mには資材置場として使うための工事が施されている。天井ホイストクレーンは二十t三基、二・八t一基を設けている。ウォールクレーンは二・八t八基、工場内に三百t、五百tのプレス機各一台も設置している。
同社は、昭和三十六年十月創業、四十五年六月設立の船舶修繕専業工場。国内船主を主に、昨年の入渠実績は二百三十隻、岸壁係留工事百五十隻、計三百八十隻の修繕工事を施工している。平成十三年八月期決算では売上高三十五億円、経常利益七千万円を計上した。今期はドック拡張と新工場の稼働で増収増益を目指す。従業員二百人、社外工百人。


なかやま牧場が福山北産業団地内に流通センター建設

(株)なかやま牧場(福山市御幸町中津原1677、資本金二千五百万円中山伯男社長)は、市内駅家町に市が造成した福山北産業団地内に主力施設、食肉流通センターの建設工事を進めている。
計画では、同所の一万二百二十四平方mに、鉄骨造り二階建て、延べ床面積三千五百三十四平方mを建設施設は国際的な加工食品管理規格のHACCP(ハサップ)適用や国際品質保障規格ISOの認証取得も目指す近代的な設備を導入した最新鋭工場と配送センターを整備する。
今年六月末完成し、機械設備等の試運転など準備期間を二カ月見込み九月にも本格的な操業を目指す。
また、深安郡神辺町新徳田154国道486号沿い交差点角に開設しているスーパー「ハート新徳田店」を全面改装、増築工事を完成、新装オープンした。
同社は昭和四十五年設立、牛の飼育から牛肉メーンの卸売り、食品主体のスーパー・ハートを経営、最近年商約八十億円規模。福山市内に本社・流通センター、直営牧場、スーパー・ハート店が、引野店、加茂店新涯店、神辺店に新装オープンした新徳田店、昨年オープンした神辺駅前店を展開している。従業員二百六十人。



こぼれ話  2002年1月20日号

尾道の互礼会に映った 「大変な時代」の縮図

大変な時代。新年となってあちこちで互礼会が開かれたが、主催者代表のあいさつでは「大変な時代」という認識が共通していた。
地方行政にあっては財政難と合併課題。経済界にあってはデフレスパイラルの危機と重なるどうしようもないほどの不況感。社会奉仕の団体にあっては不況を背景にした会員の激減。政治にあっては言うに及ばず難問愚問の山積。それを裏付けるように株価もバブル崩壊後の最安値を更新している。
こうした背景にあって、尾道市の互礼会では亀田良一尾道市長が「タレント人気と同じ小泉改革には実行ある経済政策がない。このままでは大変なことになる。もう待っていられない。尾道は借金してでも財政出動する」と独自の方針を掲げ、小泉政権に対する不満をあらわにした。
来賓には佐藤公治衆議院議員(自由党)と溝手顕正参議院議員(自民党)も出席しており、先にあいさつに立った佐藤氏が「山ほど話したいことがありましが、市長の話をお聞きして全部止めます」と前置きして「亀田市長もとうとうけつまくっちゃたかなぁと感じました」と意表を突いた切り出し、「私は野党。小泉政権に対する思いは同じ。溝手先生もおられますが、うまく使い分けて、国家、尾道のために仕事をさせてください」と亀田市長の不満を受けてしっかり存在感をPR。会場から「うまいもんだ」と賞賛の拍手を受けていた。
続いて登壇した溝手氏の発言に会場の注意が集まったのは当然の成り行き。溝手氏は「昨年はお世話になりました」と選挙のお礼から入り、節度ある大人の印象付け、「亀田市長の話に誤解のないよう申し添えれば、国の予算は防衛、外交を除き、インフラ整備など全て国民、地方のために使われており、その使い方にメリハリを付けろという話にお聞きした。出すべきところには出すべきと言っておられ、私もまったくの同感。失速しないよう、心して経済を考え、体を張って解決していきたい」と動じない貫禄ぶりで結んだ。
日頃、「尾道は国の改革より一歩も二歩も先を行っている」と自負する亀田市長。尾道の互礼会では市長発言の波紋に、大変な時代と言われる日本の縮図が映った。

売掛管理に細心の注意を

不況の中にあって食品業界の一部は年末商戦でわずかながら前年比プラスの成績を収めたようだ。しかし食品業界も含め、今や経営者が細心の注意を払っているのは与信管理。売り上げが好調でも焦げ付きが発生しては命取りになる。
社長を退いたばかりの山陽工業(株)(尾道市)の高橋貞昭会長は、今でも毎月変動する取引先ごとの売掛額を、常に頭に入れている。昨年は一千万円を超える焦げ付きもなく終えたが、旅先で聞いた新潟鐵工所倒産のニュースにもあわてず、経理担当者の集計よりも早く金額を言い当て、社員を驚かせたという。
今年は昨年以上に倒産増加が予想され、予断が許せない。売掛管理にはくれぐれもご注意を…。(J)

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