和・洋菓子製造の(株)サンラヴィアン(浅口郡里庄町新庄3920、資本金九千三百六十万円、占部守弘社長、TEL0865・64・4771)はこのほど直販サイト「カフェサンラヴィアン」を開設、消費者の生の声を開発に生かすことを目的に運営を開始した。
開設後一週間で三千アクセスと好評で、プレゼント企画も応募が殺到。「気軽な洋菓子」をPRしながら本来の目的である情報収集を進めていく。システム開発は(株)インターネット開発研究所(福山市)。商品自体の評価や新商品開発への意見、一袋あたりの個数に対する意見など、これまで販売店経由で届いていた情報を直接収集することで、多様な顧客ニーズに応えていく体制を整えたいとしている。アドレスはhttp://www.sunlavieen.com/
サイトで販売する商品は詰め合わせが中心。組み合わせも、企画や消費者の要望などに併せ柔軟に変えていくという。現在は千円、千五百円でそれぞれフレッシュクリームと果物を特徴としセットと焼菓子を中心としたセット、お菓子の世界コンテスト「モンドセレクション」メダル受賞商品を詰め合わせた二千円のセット、また季節限定と新商品を詰め合わせた千円のセットを販売している。さらに「母の日BOX」として二千円のセットも販売中。
登録会員の中から希望者にはメールマガジンも配信する。年間約五十点の新商品情報のほか、開発者の苦労話、同社が特に力を入れている産地管理のノウハウなどを説明。一日八十人のペースで登録数が増加しているという。
また購入者には同社オリジナルの宅配専用ケース「多機能BOX」で商品を発送する。リサイクルした素材の採用ではなく、多機能だから捨てずに再利用できる、という視点から環境問題へ配慮。小物類や書類の整理などに利用できるとして、遊び心をPRしている。
同社の占部龍弘常務取締役は「対話重視の直販サイトは商品開発のための研究所で、五年後、十年後に勝ち組みであり続けるための土台。消費者ニーズを先取りに小回りが効く体制を整えたい」と話している。なお、将来的には高級素材使用、高度な製法、パティシエの哲学などをコンセプトに、高級なカフェをイメージしたアンテナショップ開設も検討している。
真空包装機のトップメーカー、(株)古川製作所(本社東京都品川区大井6丁目19-12、本部三原工場=三原市沼田西町小原200-65、資本金十六億円、古川雅章社長)はこのほど平成十四年一月期決算をまとめた。
売上高は七十億九千三百四十五万四千円、経常利益十一億四千二百万円、当期利益五億四千七百一万五千円を計上、安定した収益を確保した。
同期の前半は輸出、国内向けとも好調なスタートで、売上高七十五億円ペースだったが、後半に来て国内外ともに受注が伸び悩み、価格引き下げ要求も強まるなど厳しさが増してきた。全般的な合理化効果もあってほぼ計画に近い業績を維持した。
期中の海外輸出は世界五十数カ国に売上高の約30%、これは例年並の比率。このうち北米向けが80%近くを占める。
次期業績予想は売上高七十三億円経常利益十一億五千万円の増収増益を目指す。一方、年々強まる価格競争に対応して中国等での部品調達を本格化させる検討が始まっており、今後の展開が注目される。
なお、さる四月二十四日から三十日まで、ドイツ、デュッセルドルフで開かれた包装機展「インターパック」に、同社としては初めて製袋機をセットにした自動真空包装機一台を出展した。インターパックは三年に一度開催される世界最大の包装機展として知られ、世界各国から約二千社が主力製品や新製品を出展、期間中に約十五万人が訪れる。同社が出展した製袋機付き自動真空包装機はスイスの大手食品メーカーに輸出した実績があり、現在のアメリカ市場に次いでヨーロッパ市場でのシェア拡大を展開する足掛かりとなるものと期待している。また、古川雅章社長と九十歩栄太郎専務も同展に出席、直接市場リサーチやヨーロッパの業界視察も行っている。
日立造船(株)(大阪市住之江区、重藤毅直社長)は、再編計画の一環として(株)ニチゾウ因島製作所(因島市土生町、川路道博社長)と日立造船向島マリン(株)(御調郡向島町、城克己社長)を五月一日付けで統合、新会社アイエムシー(株)(IMC)を設立した。
新会社は本社を因島市土生町に置き、資本金四億九千万円、社長には日立造船因島工場の嶋末幸雄工場長が就任した。
新会社は両社の主力部門である船舶修繕や船体ブロック建造、大型鋼構造物、内航船建造に加え、小型ケミカルタンカーやLPG船建造も手がける。両社の従業員五百二十人のうち三百六十人が新会社へ移籍、百六十人はグループ企業へ移籍する。初年度の売上高は九十億円を目指す。
ドラッグストアチェーンの(株)ププレひまわり(福山市西新涯町2丁目10-11、資本金二千四百万円、梶原秀樹社長)は、四月十二日、新倉敷店(倉敷市玉島爪崎847-1)、二十七日には尾道西店(尾道市新浜1丁目7-7)を相次いでオープンした。この二店は同社でも初めての食品を本格的に販売する。尾道西店は三十二店目となる。
尾道店は、国道二号沿いの敷地千百八十七平方mに、鉄骨造り平屋建て九百九十平方m、売場面積は両店とも約八百三十平方m、食品コーナーにはチルド食品、冷凍食品、牛乳、パン、豆腐、ハム、ソーセージ、めん類、乳製品など生鮮食品を除いて多彩な品揃えで、顧客の利便性を高めるこの試みが注目される。
同社は、昭和五十三年、ひまわり薬局を開設して創業、五十九年に有限会社で法人成り。県東部を中心にチェーン展開を続け、平成十一年には岡山進出を果たし、一号店として倉敷大高店をオープンした。現在では県東部の業界ではトップの地位を確立、平成十四年度の年商百十五億円を見込む。
四月二十七日からスタートしたゴールデンウイークも終わり、ほっと一息の方も多いのでは…。NKK福山製鉄所や北川鉄工所など十一連休や十連休をプレゼントした企業もあるようだが、暦通りなら、今年は三日休んで、三日働き、四日休みのまだら模様の金箔連休だった。
もっとも休みの時期こそ掻き入れどきという企業も増えており、今からのんびり骨休みという方もおられよう。また尾道のみなと祭や竹原の竹まつりなど期間中に開催されたイベントのスタッフなど、本業以上に肉体を酷使、打ち上げの美酒に酔った方も多かったのではなかろうか。
三年前のゴールデンウイーク真っ最中の出来事は瀬戸内しまなみ海道の開通。一九九九年五月一日のことだった。錦織健が力唱したイメージソング「遥か、しまなみ」の調べに乗って、半年ほどの記念イベント期間中千三百四十八のイベントが開催され、参加・来訪者数七百万人を記録した。ごったがえした時期からストンと落ちた観光客数。反動も一服した当地域では、これまでの喧騒にまみれ、見えていなかった一粒の輝きにようやくピントが合ってきた。
尾道では、千光寺山頂上展望台からの眺望、千光寺、西国寺、浄土寺といった古寺めぐり、ラーメン店の朱華園をはじめ変わらぬ味が自慢の飲食店などが、普遍の輝きで相変わらずの人気を保っている。
また尾道市内の観光エリア内には新しい魅力も加わっている。商店街には甘味処「ととあん」、帆布製品づくりの「工房おのみち帆布」、絵手紙の「ギャラリー都」、商店街から少し外れた場所には雑貨店「アヴァンセ」、千光寺山山腹に家庭料理の店「どらねこ」、ロープウエー山麓駅近くにとんこつラーメンの「千光亭」、会議所近くにはカフェ「やまねこ」、駅前寄りの海岸通りにお好み焼き「てっぱんや」など、しまなみ開通の後から新しい感性のお店が相次いでオープンしている。
新しい名物づくりに取り組む動きもある。観光エリアの七カ寺を朱印で結ぶ七佛めぐり、穴子を使った名物料理づくり、地道な努力が続いているレンタルサイクリング、世界の建築家安藤忠雄が設計を担当して改築が進む尾道市立美術館、尾道との因果を深める尾道白樺美術館、西御所県営上屋を利用した骨董市、七月オープン予定で高校球児のハートを誘う甲子園球場クローンのびんご運動公園野球場など。
しまなみ海道開通を機にこれまでどちらかと言えば、外へ向かって魅力を伝えてきた尾道にあって、今度は内側、つまり市民自らが「変わり始めた」と実感できたイベントが今年の尾道みなと祭だった。
少し奇妙な「ええじゃんSANSA・がり」と題した踊りの創作力とパワーを競う企画は、五十四団体約二千百人の踊り手を集め、提灯にライトアップされた海岸通りをエネルギッシュに練り歩き、「尾道のどこにこれだけの若者がおったんじゃろう」と市民を驚かせた。楽しみながら踊る踊り手の笑顔こそ「遥か、しまなみ」で歌われた「過去から未来へ ひと筋ひかる道」を照らし続けるに違いない。(J)