びんごトピックス  2002年7月20日号 
 
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尾道自動車学校の移転計画が始動

尾道エリア唯一の自動車運転免許教習場「尾道自動車学校」(御調郡向島町5531)が年内にも同じ島内の尾道市向東町へ移転することになり、新しい教習コースの建設準備が本格化している。
移転を前提に経営母体も(株)中国産業(同所)から昨年新設した(株)広島県尾道自動車学校(同所、半田孝治社長)に変更する計画で、現在、県公安委員会へ公認施設の設置者変更の申請を行っている。新会社の役員には社長のほか、亀田茂登、今岡義男、迫田祐、亀田康徳の四氏が加わっており、パイプ役として中国産業と兼務する役員もいる。
移転の理由は、少子化の中で教習生減少に歯止めがかからず、現在よりも賃借料の軽減できる新天地で教習コースを拡充し、大型二種など幅広い自動車免許が取得できる教習場として再出発する必要に迫れているためで、コストダウンと同時に増収を目指す。
経営する(株)中国産業の決算は平成十二年四月期▽売上高三億九百九十三万八千円、利益百七十万六千円、十三年四月期▽売上高二億五千五百七十四万四千円、損失千六百八万九千円、十四年四月期▽売上高二億三千六百十五万千円、損失五十万七千円といった数字で推移。移転に必要な大型投資を行う余力が乏しく、新会社に託した。
年初の経済同友会新年会であいさつに立った亀田良一尾道市長も運転免許保持者の高齢化が進み、高齢者講習の対象者も増えることなどから地元の自動車学校を継続させる必要性を訴え、経済界の課題として解決策が多角的に進められていた。
その結果が新会社による移転、コース拡充で、現在の一万千七百一平方mのコース面積を一万二千五百二十八平方mに広げ、敷地を約1.3倍とする。移転先は市内向東町(肥浜)の私有地で市が市民スポーツ広場として借用してきた場所。建築確認が下り次第建設にかかり、十一月末に完成させ、公安委員会の審査を経て年内には移転、認可コースとして営業を始めたいとしている。
新コースは大型二種などの教習にも使える面積を確保しており、時期をみて取得可能な免許の種類を増やし、将来はクレーンなど特殊車輌の免許にも対応できる時代のニーズに沿った自動車学校を目指す。
尾道自動車学校は昭和三十九年三月に県内十番目の公認自動車教習場の認可を受け、これまでに五万七千四十二人の自動車免許取得者を送り出し、今年五月にも卒業生による事故が少ない優秀校として広島県警察本部長表彰を受けるなど安全指導の伝統を受け継ぐ模範校。現在も教習指導員十六人が普通車二十八台、自動二輪十四台の教習車輌(講習車輌は除く)を使って、熱心に教務を行っている。ワープロ教室は閉鎖中。
営業面ではポスターを作成、取引先へ配布協力を仰ぐなど営業力強化に努め、移転後は送迎バスを使った営業強化策も検討している。


シンエイ産業の指のマタ密着型のゴム張り手袋が好調

手袋、靴下、靴、作業着など製造のシンエイ産業(株)(豊田郡本郷町上北方4084-6、秋田眞澄社長、рO848・86・4512)が昨年商品化したフィット感の高いゴム張り手袋「ジャストフィット」が好調、このほど大手ホームセンターのチェーンにも導入が決まるなど、全国で採用が進んでいる。
ジャストフィットは、指マタ部分の高さが揃う従来の手袋と違い、人差し指と中指のマタよりも中指と薬指のマタを、またその高さよりもさらに薬指と小指のマタを下げることでフィット感を強化、作業時の疲労を減少するのが特徴。従来の編み機を改良、小指から編んでいく編み工程を細分化して増やすことで独特な加工を実現した。また柔らかい天然ゴムを使用、指先ほど細いスリム加工、甲のサイズ表示ゴムシートが横伸びを防止し、作業中に脱げにくくなるよう工夫されている。
運送業者が荷運びする際、手袋をつけたまま伝票を切れるようにと、フィット感、グリップ力を強化した手袋を研究開発、昨年五月から販売を始めた。同六月からサイズ表示を直接手袋に貼りつけたものに変更し小売店での回転率も上昇、最近では既存店だけでなく新規のホームセンターチェーンでも採用が進んでいる。従来の手袋はフリーサイズのものが中心だったが、消費者が自分にあったものを選べるようにとS、M、Lの三種類、色はネイビーとグリーンの二種類を用意した。
現在ジャストフィットの売り上げの内、L寸が六〇%を占めているが、S寸も一五%と予想以上の売れ行き。同社ではその原因を、女性のピッキング作業の増加と分析する。
「はめてもらって初めて良さがわかる商品」(秋田社長)と、小売店には試着できる陳列を必ず要望する。また試着用手袋をかけるアプローチ台紙も自社でデザイン、製作するなど拡販に力を入れており、三年以内に一億円の売り上げになるのは確実と見ている。秋田眞澄社長は「値崩れが激しい業界だが、価格でなく価値で選んでもらえる商品に成長している」と自信を見せる。
そのほかにも、火を使う場面での使用を想定し綿一〇〇%で熱に強く、塩化ビニールのすべり止めが付いた手袋「ホリデー」や、脚立の脚カバー「無傷君」(通販のみ)など、ユニークな商品を揃える。
同社では約百三十種の商品を紹介するホームページ(アドレス=http://www.sas-shinyei.co.jp)も開設しているが、四〇ページ前後のカタログも自社で全てデザイン、商品サイクルが早い時流に合わせ、小ロットでの製作を可能にするなど合理化に努めている。


倉田米穀が「ウォーター倶楽部」でミネラル水販売

倉田米穀(株)(福山市引野町2-19-23、資本金千二百万円、倉田貴社長、рO84・941・8456)はこのほど、同社ミネラル事業部のホームページ「奥大山ウォーター倶楽部」を起ち上げ、備後地区に限りディスペンサーを無料で貸し出すサービスを開始した。
(株)サンエス(神辺町)が展開しているサンミネラル事業部と連携し、大山国立公園内鳥取県日野郡江府町で採取した天然ミネラルウォーターを同サイトを通じて全国に代理販売する。奥大山ウォーター倶楽部(アドレス=http://www.daisenwater.com)に登録すれば、自分専用のマイページで購入記録や送り先などの情報を簡単に管理できるほか、水に関する情報などを盛り込んだメールマガジンの配信を受けられる。
期間契約すれば五℃の冷水と八五℃の温水を利用できるディスペンサーを無料でレンタル。対象は三原、尾道、因島、福山、府中、笠岡、井原各市と御調、沼隈、深安、芦品各郡。ボトルは五ガロン(18.9l)か三ガロン(11.3l)を選択できる。現在一日の閲覧は二〜三百、既に備後地区内からの問い合わせもあるという。消費者の声を直接吸収できることから、今後同社の本業である米の販売サイト構築にも生かす。
二月の同事業部開設からこれまでの契約数は約二百件。消費者の健康志向や環境問題、水への関心の高まりから徐々に「飲み水は買う」意識が定着、ミネラルウォーターが売り上げを伸ばしているが、ペットボトル処分の煩雑さをディスペンサー利用で解消できるのも特徴。同社の倉田貴社長は「健康、安心、利便性、リサイクルの各キーワードに対応した面白いシステム。本物の水を体験してほしい」と話している。


小泉総合企画がプチログハウス村を建て売り

ログハウス事業の(有)小泉総合企画(豊田郡本郷町南方字梅木平2146-373、小泉正鐘社長)が三原市小泉町字畑垣内三四七四で進めている、低価格建て売りログハウスの一棟目が八月にも完成、現在現地見学を受け付けている。
同社がアメリカンログハウスの建築を進めているのは、県道五十九号、本郷忠海線のほぼ中間地点の交差点に隣接する七百坪、約二千三百十平方mの土地に、現在建築中のログハウスと併せて三棟を建て売りする「プチログハウス村」。八月にも完成する一棟目は約百五十坪、約四百九十五平方mの敷地に、一階は和室やいろりのある居間など六十八平方m、二階は五十一平方mの延床面積百十九平方mのログハウス。駐車スペースは三台分、庭や菜園を大きく確保できるだけの土地と建物を併せて二千五百九十万円(消費税込)と低価格で販売する。問い合わせは同社рO848・86・7012まで。
設備はカーテンとクーラー以外は一式完備で、一部窓にはペアガラスを使用している。基礎は、本体を組み立てる際に上部を先に組み、油圧ジャッキで上げ、その部材の下にまた新たに部材を組んでいく作業を繰り返すジャッキアップ工法。震度七の地震にも耐え、総合的にも築後二百年は持つという。少ない仕切りが特徴の間取りは、これから子育てを始める家族から親子四人家族までの利用を想定した仕様。「高級なイメージのセカンドハウスとしてでなく、あくまで庶民の家」(小泉社長)として、主要幹線から少し離れるだけで得られる豊かな自然、静かな住環境をPRしていく。
各部材は同社の小泉正鐘社長が独自に調達。マツを六カ月以上から干した、直径三十pの太ログをシベリアから直輸入する。企画、設計から造成、さらにログとログの間には自然の泥「パーマチンク」を使用、自然な呼吸にこだわった。独自でこなす工程を増やすことで低価格を実現した。
同社長は「同等のものをメーカー価格で購入するなら三千五百万円はかかる。真心仕上げには自信があります」と低価格に胸を張る。現地までの道沿いに、派手なのぼりや看板は設置しないのも景観への配慮から。また竹原市忠海町でも、海の見える土地を取得し、同じく三棟分のプチログハウス村計画を進めており「現代は車社会。これまでの住宅地から十分か二十分足を伸ばすだけで可能になる、ゆったりした生活を重視する新たなライフスタイルが確立されるはず」と話している。



こぼれ話  2002年7月20日号

すみよし花火の見物特等席は20数万人?

八月三日の夜は「おのみち住吉花火まつり」が行われ、尾道水道の夜空は一万三千発の花火で色とりどりに染まる。沿岸には例年二十万人以上の見物客が詰めかけ、大変なにぎわいをみせる。
今年はどうやって楽しむか、今から心をときめかせている人も多いと思われる。沿岸の特等席からウチワを片手に味わうビールもまた格別。ホテルや料亭を指定席に毎年思い出をつくる家族も多いと聞く。
もう一つ、今年は無理かもしれないが、新しい特等席が生まれようとしている。無理かも…とは、殺到した場合、先着もなく特等席そのものが消えてなくなるため。その特等席とは全国どこからでも見物可能なインターネットライブカメラのこと。アクセス殺到となればサーバがダウンしてしまう。
風景が観光財産の尾道では、ライブカメラの設置が進んでいる。RCC放送は千光寺山の市美術館辺りから尾道水道を送信中。尾道市観光協会も花火までには千光寺山頂展望台から尾道水道を伝え始めそうだ。そして鰍「しい(尾道市山波町、HP「来なしゃあ尾道へ」運営)の石井照章社長はライブカメラ設置をまちづくり運動と位置付け、対岸の向島にある自宅から尾道水道を行き交う船の様子を送信中。千光寺山ロープウエーを写す茶房こもんに続く、カメラの設置場所提供も募っている。
石井社長の夢は日本一のライブカメラ観光地。既に尾道水道周辺の人口密度ならぬライブカメラ密度はトップクラスと思われる。まだまだライブカメラの設置が続きそうで、いつの日か、二十数万人の何倍もの人がパソコンに向かって「玉屋〜」と叫びながらビールを飲むことがあるかも知れない。

交通死亡事故多発警報 他人の自由こそ守ろう

暑さと厳しいご時世のためか、イライラしている人が多いようで、交通事故が多発している。尾道市内では七月六日までの一カ月間に三件の死亡事故が発生、十日付けで交通死亡事故多発警報が発令された。七月七日までの交通事故件数は昨年の三百四十三件に比べて四十二件も多い三百八十五件と急増、六人の方が亡くなっている。
このところ毎日のように危険な運転に出会う。芦田川から赤坂バイパスまでの国道は右側車線に右折車が止まっていると、左車線へ急に車が割り込んで来る。あわやと思うことも多い。尾道市内の何気ない市街地で止まれの標識を無視して駆け抜ける車も見かけた。
ある人は「経済情勢はともかく、教育の問題」という意見。「携帯電話をかけながらハンドルを切る怖さを知らない」とあきれ顔で話し、最近は誤った教育の影響で自由と平等を誤解している人が増えていることを本気で心配している。人の痛みに鈍感となっては交通事故を防げそうにない。わが身の安全とともに加害者となって他人の自由を奪う恐れも知るべき。何はともあれ交通安全に努めたい。加えて今月末までは海難防止強調運動中。船の安全運航にも気をつけたい。(J)

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