(株)ヨシケイ福山(岡崎雅廣社長)を核とするホーミィグループの一社でスーパー「エブリイ」経営の(株)エブリイ(福山市南蔵王町2-10-22、資本金二千四百万円、社長同)は四月中旬、旧福山そごうとスーパー銭湯ゆららの中間に「エブリイ本庄店」をオープンする。
同店は生鮮食品と業務用加工食品を販売する生鮮&業務スーパーの形態で、福山市内の蔵王店、川口店と同じ形態。トモテツバスの整備工場の一部だった敷地四千九百五十平方mに売り場面積約九百九十平方mの店舗を新築中で、百台分以上の駐車場も確保する。
「業務スーパー」は神戸のフランチャイジー企業が主に中国で加工食品を生産、卸を省き直接フランチャイズスーパーに流す形態で、アイテム数は千五百ほどに上る。平成十三年二月にエブリイもフランチャイズ加盟、手始めに導入した川口店が好評で、これまでに同社が経営する蔵王、玉島、中庄、岡南店も含めたエブリイ五店全てに導入した。
例えば「業務スーパー」の人気商品は焼き鳥五本百十八円、紀州の技術を中国へ移転して生産された梅干一キロ三百八十円など。驚くほどの低価格が評判を呼び、川口店は前年同月対比一二〇%を毎月達成、昨年三月に導入、リニューアルした蔵王店も同一五〇%を続けている。
同社は広島と岡山の二県内で「業務スーパー」のフランチャイズを展開するエリアライセンも取得しており、これから年間十店舗の出店計画を持つ。本庄店はその第一弾で五月初旬には笠岡市の国道二号線沿いでグランドホテル北側に四百九十五平方mの業務スーパー単独店を、六月にも山陽町へ同じく単独店の出店を予定している。
同社の現在の年商は年商六十三億円。ホーミィグループ四社は各社増収増益で、平成十四年度に合計年商が百億円を突破している。
手延べ麺製造直売の坂本一夫製麺工場(岡山県浅口郡鴨方町小坂東3642、坂本寿栄広代表)は「手延べ焼きそば」を商品化、ホームページでの通販や口コミで徐々に売り上げを伸ばしている。
「備中かもがた手延べ焼そば」は無かんすいで体に良く、コシの強さが特徴で茹でのびが遅い。また乾麺で保存が効き、一年間は風味が落ちないという。ソースと青のり付き、十八食入りで二千二百円。問い合わせ、注文はTEL0865・44・2597同社まで。またホームページ(http://www.kcv.ne.jp/~smen/)からも購入できる。
開発のきっかけは三年前。主力の「てのべ冷やし中華麺」が夏商品のため、冬も売れる商品を開発したいとラーメンにして試食した。しかしスープののりが悪く、思い立ったのが粉末ソースをからませる焼そば。広島の業者からソースを取り寄せ研究を重ね商品化。同社商品のリピーターに案内すると反応は上々。坂本寿栄広代表は「冬の主力になる」と期待している。
麺加工の下請けとして戦前に創業した同社は、価格競争などから高付加価値の自社商品開発の必要性を痛感。約十年前に主力の「てのべ冷やし中華麺」を他社に先がけ開発した。当時、同業者からの評判は芳しくなかったが、消費者のみを対象とした直販で徐々にファンを拡大、口コミなどで広がり顧客は全国に。茹でのびが遅いため、弁当に入れる人もいるという。「冷やし中華麺」は現在、贈答シーズンには生産が追いつかないほどの人気で、今年も中元に向け製造を急ぐ。
そのほか「てのべうどん」「てのべわかめ入りうどん」「手延べ素麺」、進物用の「麺詰合せ」など商品も多数揃える。価格は一食百円以上。坂本代表は「百円以下では売れない。価値を分かってくれるお客さんが中心。みなさんリピーターばかりです」と商品への自信を話している。また同代表はIネットにも早くから関心を持ち、「売れるホームページ」作りの研究にも余念がない。
府中ツキ板(有)(府中市中須町1326、資本金三百万円、門田時幸社長)が介護福祉サービス分野に進出するため、同市中須町青屋1412-1に建設している「グループホームひまわり」が近く完成し、五月一日から入居を始める。
この施設は、同所の敷地千五十二平方mに、木造平屋建て四百五十七平方mを建設、すでに建物は完成し、周辺の整備を進めている。設計は菊谷建築設計事務所、施工は、さくら建設(株)。府中市内では初のグループホームとなる。
この施設は一グループ九人、二グループ十八人の定員で、敷地内には十三台の駐車場スペースもある。
グループホームは、痴呆性高齢者対応型共同生活介護事業で、要介護認定一から五までの人で、少人数による共同生活を営むことができる人が対象。費用は家賃、食事材料費、光熱費など月額約十三万円、別に入居一時金が要る。
同社は、昭和五十年創業、五十一年二月会社設立の桐ツキ板製造業、その後は不動産賃貸業に進出し、府中市内に貸し店舗三店、アパート一棟、福山市南手城町に貸し倉庫、昨年一月には2K三十室のルーセント城見(福山市城見町2丁目2-15)を完成している。
今回の介護ビジネス進出は、本業の桐ツキ板製造が長引く不況と中国産の輸入増加などから業界の先行きに危機感を強めており、不動産業に次ぐ第二の多角化事業としてグループホーム経営に乗り出す。将来的には施設の増設や関連事業への参入も視野に入れて規模拡大を図る計画。
関連会社に不動産業の(有)アセット(福山市本町4-5)がある。
福山市を中心に食品スーパー「ベルファニー」を経営している老舗のベルファニー(株)(福山市水呑町字宮坂161-1、資本金二億七千万円鍋島弘社長)が、三月十日までに経営する十三店舗全店を閉鎖する。
今後は県内のスーパーへの営業権譲渡などを進める。社員やパートを含む従業員五百九十人の処遇については未定。昭和二十九年七月創業の半世紀にわたる老舗がまた一つ幕を閉じる。
同社は、昭和二十九年七月、(株)福山日山商会として設立、精肉業を営んでいたが、三十四年に食品スーパーに転業、以来、県東部スーパー業界トップの地盤を構築し、広島市にも出店するなど積極的な拡大戦略を続け、最盛期には二十五店舗を展開、売上高百七十三億円を計上していた。
この間、昭和四十九年に(株)ファニーに商号変更し、平成三年に現商号としている。その後はスーパー業界の競争激化や消費の低迷で業績は後退を続け、不採算店舗の閉店、売却など再建に努め、広島銀行や大手量販店マイカル出身者を経営陣に迎えて建て直しを図ったが業績は回復せず、今回の経営断念に踏み切った。
平成十四年三月期では売上高九十八億六千万円、一億九千百万円の赤字、累積損失は十億円に達している。
久しぶりに宮島の水族館に出かけた。珍しい魚やイルカはもちろん、服を着たペンギンの出迎えがあったり、アシカショーもあるなどけっこう本格的な水族館で、家族連れや若いカップルでにぎわっていた。
こうしたカメラが主役の場所で目に付くのがカメラ付きケイタイ。家族連れはビデオやカメラを使うが、若いカップルは画質をそれほど気にしないのか、携帯して持ち歩ける写真が魅力なのか、はたまたその場から友達に送信する遊び感覚が楽しいのか、ケイタイで撮影している風景をたくさん見かけた。
ほのぼのとしたケイタイの利用シーンだが、韓国の地下鉄火災事故では「おかあさん、助けて…」というケイタイからの声が最後だったという悲劇もあった。ロシアの劇場占拠事件では内部の様子がケイタイでこっそり知らされ、人質救出作戦に貴重な情報をもたらした。携帯端末は音声交信からテキスト交信に移り、画像交信の時代に移りつつある。最近はカメラ機能ばかりではなく、動画や音声収録機能もある。犯人の顔写真や音声などを緊急送信するような機能が高まれば、護身用や監視用として強盗などの犯罪を未然に防ぐ抑止力もケイタイに期待できる。
尾道でも宝石店が襲われ、残念ながら福山では殺人事件が珍しくなくなった。ケイタイの多彩な利用シーンに出会い、身近で日常的になった凶悪犯罪のニュースに触れ、ふと、いつでもどこでもすぐにつながるケイタイに、ボディガードのようなたくましさを期待したくもなる。
話は変わるが、宮島で市内では会わない知人にばったり出会った。つい最近、福岡市内でも別の知人にばったり出会った。ばったりの話はほかの方からもけっこう聞く。風水学を寄稿いただいている小林将利社長は東京で尾道の経営者にばったりあったことが縁でちょっとしたビジネスが成立したそうだ。出会った場所は地元の馴染み客が集まるこじんまりとしたスナックだったそうだ。少し前だが、ある社長が上海に出かけたおり、空港でばったり出会ったのは同じ尾道の経営者だったそうだ。
皆さん、けっこうあちこちと出かけ、あちこちでばったりと出会っている。先週、三原の店主に出身をお尋ねすると京都とのこと。「京都は親戚が○○町に…」と返したら「私も○○町です」との答えにびっくり。先日は静岡方面から転職してきた福山のビジネスマンにびっくり。出身を尋ねたら尾道とのことだったが、同じ高校の三年先輩だった。
個人それぞれがブラウン運動のように行動する時代。ケイタイのように電話番号を指定しなくても、ばったり…という偶然がバラバラのような個人をけっこうつないでいるもんだと驚かされる。
卒業式でもケイタイは様々なシーンを写しているに違いない。高校生の就職は厳しく、昨年末現在の内定率(全国)は六六・三%。県内も昨年末現在でほぼ同じ六六・七%。就職を希望する三千五百九十八人のうち、ほぼ三人に一人が進路を見出していない。就職はまさに氷河期。されど動き回れば、ばったりと希望に出会うもの。ケイタイが若人の門出を写し出すほのぼのとした春こそばったりを望みたい。(J)