びんごトピックス  2003年7月1日号 
 
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建材卸のミヤジが「環境事業部」設置

建材卸の(株)ミヤジ(尾道市東尾道9-10、資本金四千万円、宮地康隆社長)は社内に六月一日付けで環境事業部を設置した。
同事業部は宮地宏治専務が事業部長を兼務。技術研修を終えたスタッフ四人が本業を兼務しながら事業拡大を目指す。事業の柱は水と食料と太陽の三つがキーワード。それぞれ環境に貢献する装置、器具の販売と設置を行う。
「水」に関しては当面、節水器具の設置が中心。蛇口の根元に取り付けが可能で圧力を制御する特殊な器具の販売、取り付け工事を行う。工場、ホテル、病院といった水道の大量消費施設が対象。高額な水道料負担の一〇%削減を目安に取り付け、一年で取り付け費用を回収する提案型の営業を展開する。
「食料」に関しては、食品リサイクル法の完全実施を視野に入れた排出量の減量に必要となる生ゴミ処理装置の販売、設置が中心。具体的には(株)テックコーポレーション(広島市)が開発、製造するバイオ処理型の有機性廃棄物高速発酵分解消滅型装置「マジックバイオくん」等の販売、設置を受け持つ。
「マジックバイオくん」はバイオの力で炭水化物、繊維質、セルロース、タンパク質、油脂などを含む残飯など食品廃棄物を短時間で消滅させる装置。一日に処理できる量によってタイプが分かれ、大型もあるが五十kgと十五kgの二タイプが主力商品。五十kgタイプは設置費を含む導入費用が約五百万円、十五kgタイプで同じく約三百万円。ゴミは約五時間で消滅する。
そのほか包装資材に入ったまま投入して生ゴミと包装資材を自動分別する装置や炭素に近い状態まで生ゴミを乾燥させる大型乾燥装置など食品リサイクル法に関連する商品を取り扱う。
「太陽」に関しては、太陽光発電装置が中心。主に住宅向けとなるシャープの太陽光発電システムや太陽電池を組み込んだ日鉄鋼板製屋根材の販売、施工などを行う。
また同じメーカーが商品化している病院、老人ホーム向けの紙おむつ炭化装置なども同じ環境事業部で取り扱う。
同事業部では立ち上がりの半年間はPR期間と考え、売上高五千万円を目標にスタートさせ、早期に年間二〜三億円に拡大させる計画。食品リサイクル法は規模に関係なく全ての食品関連事業者が対象になっており、平成十八年度に排出量の二〇%以上実施が目標。実施には生産工程の改善による発生抑制、肥飼料化による再生、脱水・乾燥等による減量の組み合せが必要で、大手企業では平成十八年の期限に向けた試行が既に始まっている。同社ではこうした時代の要請に応え、環境事業部を拡大させる計画。
最近の同社年商は約四十億円。従業員は七十五人。


県東部の中小企業がJMS事業協同組合を設立準備

尾道、福山など県東部の電子部品、自動車、建設、食品加工、金属プレスなど異業種の十社が、それぞれが持つ技術、ノウハウ等の経営資源を生かして協同組合を設立、共同事業の共有化を目指している。
今秋にも設立総会を開いて発足する計画で、新規ビジネスの開発、組合員の経済的地位の向上、各種共同事業のほか、若い外国人研修生受け入れ事業の実施による発展途上国への知識、技能、技術の移転を図り、経済発展と優れた人材育成にも貢献するとしている。
組合の概要は、名称が「JMSジェー・エム・エス事業協同組合」、事務所は尾道市美ノ郷町本郷455-6、出資金百万円、組合員の資格は、尾道市、福山市周辺に事業所を置く一般機械器具製造業で、小規模事業者。事業計画では、消耗品の共同購入、経営に関する技術改善向上、組合事業に関する知識の普及を図るための教育及び情報提供、福利厚生施設に関する事業など。組合員の概要は次のとおり。
▼マルアイユニティー(株)尾道事業所(尾道市美ノ郷町本郷455-6、資本金九千八百万円、山本清次会長、電子部品機器組立、従業員四百五十人)
▼(有)タカハシ自動車サービス(尾道市西藤町978-1、資本金三百万円、高橋憲臣社長、自動車販売・修理、従業員十五人)
▼(株)ピー・ワン・ロード(尾道市高須町2725、資本金一千万円、高卯文章社長、建設機械掘削作業施工、従業員二十人)
▼佐藤特殊産業(有)(尾道市西藤町3010、資本金五百万円、佐藤卓見社長、木工家具製造、従業員二十五人)
▼(株)アルファワン(尾道市西藤町1266-1、資本金二千万円、柿木誠二社長、建築設計・施工・大工工事、従業員十人)
▼(株)国延(尾道市東尾道6-9、資本金一千万円、国延弘良社長、食品加工・製造、従業員二十五人)
▼(株)成和プレス(福山市熊野町丙1387-1、資本金一千万円、小山征男社長、金属プレス加工、従業員二十六人)
▼(有)三■(■=四の下に正の一字)技研(福山市柳津町4丁目7-24、資本金九百万円、小山勝吉社長、金属プレス加工、従業員一八人)
▼(株)明和工作所(福山市千田町大字千田4123、資本金九千万円、菊田晴中社長、金属プレス加工、従業員二十六人)
▼(株)サンアイ厨房器製作所(甲奴郡甲奴町西野585、資本金一千万円、吉原誠治社長、業務用ステンレス調理器具製造、従業員二十人)
なお、総会では理事長に山本清次氏、副理事長に高橋憲臣氏、理事に佐藤卓見氏と国延弘良氏が選任される予定。



スーパーさのが各店リニューアル

生鮮食品スーパーの(株)さの(福山市木之庄町1-18-25、資本金一千万円、井上日出男社長)は六月二十七日、岡山県倉敷市連島町連島36-8に「生鮮館マスカット倉敷江長店」をオープン、他に展開している四店舗も順次リニューアルオープンさせる計画を進めている。
同社はこれまで、広島県東部に木之庄店(本社所在地と同所)と松永店(同市今津町3-7-10)、神辺店(深安郡神辺町湯野378-1)、岡山県に井原店(井原市笹賀437-1)の計四店舗を展開。五店舗目の倉敷江長店開店後は井原店、その後広島県内の店舗と順次リニューアルオープンを進める。各店舗の広さは平屋建ての二百坪前後と変わらず、商品構成は生鮮五五%を維持、商圏はこれまでと同じ半径五百mに設定。また十月までに岡山県内でもう一店を新規出店する計画も進行中。
同社は取引先との折衝よりも人件費削減などの社内努力で低価格、高品質を実現しているスーパーとして定評がある。年商は三十億円規模、今年度は新規出店を合わせ六店舗体制で同四十億円を目指す。
今回のイメージチェンジは、役員一新で株主だった創業者親族らが入れ替わり、岡山出身者による新たな経営陣で岡山での競争力を強化していくことを目的としたもの。ロゴマークは、新鮮さやさわやかさ、気品の高さなどのイメージを持つマスカットが中心。「岡山のスーパー」をPRしながらの店舗展開を目指す。またマーク内にデザインされたかわいらしい海洋生物クリオネは「海の天使」と称されており、同社のキャッチコピー「夢、配達人。」の意味を持つ。
社員(三十人、今年五月現在、以下同)、パート(九十一人)、アルバイト(四十八人)の全社員に目的意識を持たせる社員教育が同社の特徴。能力のあるパートは積極的に管理職に採用している。また六年前からTQCを取り入れ工夫と改善への意識付けを徹底、「生き甲斐のある職場作りから思いやりのある本当の接客が可能になる」(井上日出男社長)との姿勢で、パートリーダーの交流研修やフロアー担当の店内実習研修を実施、効果を上げている。
井上社長は「スーパーの差別化は突き詰めると人。仕事にも私生活にも夢を持ち心の豊かさを追求する社員教育で、今後も消費者への利益還元を進めたい」と話している。


井原商議所青年部が「彫刻のまち」PR

井原商工会議所青年部(会長=清水明人(有)高屋工務店社長)は、四月に井原市内の野外彫刻の写真をまとめて掲載したマップを作成したのに続いてウェブ版も制作、青年部のホームページからも見ることができるようになった。
同青年部が計一万部作成した彫刻マップ「いばら散策 井原の野外彫刻マップ」はA3判、二色刷り。田中美術館付属の田中苑や井原市立図書館などに設置されている平櫛田中の作品を中心に、アクティブライフ井原、井笠地域地場産業振興センターなど諸施設に設置されている地元作家らの野外彫刻計三十三体を網羅している。井原市制施行五十周年記念事業の一事業として四月十五日から六月十五日まで行われ、六万一千五百人の来場があった田中美術館の特別企画展「平櫛田中の全貌展」と合わせて「彫刻のまち井原」をPRしようと作成したもの。井原線各駅や田中美術館などに五千部を置いたが足りず、さらに五千部を増刷するほどの人気。マップを手に井原市内を散策する姿が多く見られるなど好評で、増刷分も既に数十枚しか残っていない。手応えを感じた青年部が、カラーでも見られるようにとマップをホームページ(アドレス=http://www.ibara.ne.jp/~cciyeg/)でも公開、アクセスも順調に増えているという。
同青年部が地元の小学生らを対象に約十年前から実施している粘土の彫塑コンテスト「ちびっこ田中さんあつまれ」では、第七回から金賞受賞作品をかたどったブロンズを作成。昨年の竹井真一君(小五)の受賞作品「ランドセル」はトマト銀行(同市井原町二九六―一)の植え込みに設置され、道行く人を楽しませている。第六回までは井原市内の小学校に限定、それ以降は井原線沿線に対象を拡大し、最近では市内外から二百五十体程度の応募がある。来年度の事業となる第十回では、県内全域や備後地域の小学校などにも応募要綱を配布する予定で、徐々に全国に拡大していきたい考え。
九回目の今回は八月九日に井笠地場産業振興センター(同市七日市町10)で実施する。現在参加者を募集中で、参加料は粘土代実費で一人五百円、問い合わせはTEL0866・62・0420商議所内青年部まで。既に神辺から総社まで井原線沿線の小学校五十校に応募用紙一万五千枚を配布した。
青年部では第九回を実施後、金賞受賞作品の写真を追加したマップを新たに作成する計画。清水明人会長は「将来は駅前通りなどにも彫刻を設置し、アート発信のまち井原としてPRできるよう事業を成長させたい」と話している。



こぼれ話  2003年7月1日号

夏至の日は太陽に感謝 イベントが伝える恩恵

夏至の日は日が長く、太陽の恩恵に預かる時間が長い。自然や地球規模の平和を考えるにはけっこう適した日なのかも知れない。
いつもは六月二十一日。今年は六月二十二日だった。これまで夏至の日を意識することはあまりなかったが、今年は「音楽の祭日」と「一〇〇万人のキャンドルナイト」との二つの全国規模のイベントがあり、尾道市でも賛同者が独自のイベントを仕掛けたとあって、ずい分と考えさせられた。
「音楽の祭日」はフランスが起源で「聖ヨハネの祭り」にちなんだ六月二十一日が世界共通の開催日。夏至との関係は定かでないが、昨年初めて参加した日本は六月二十一日の夏至の日に実施と決めている。「音楽はすべての人のもの」という基本精神で音楽憲章には「(参加の)すべてのコンサートは入場無料でなくてはならない」とある。
今年は大阪府内の八エリアと神戸市、尾道市で開催され、事務局のホームページ(http://www.mediatv.ne.jp/ongakunosaijitsu/)にも尾道会場のPRが並んだ。ちなみに大阪では「マイピュアレディ」のヒット曲で知られる尾崎亜美さんも賛同、イベントの知名度アップに貢献している。
一方、一〇〇万人のキャンドルナイトは環境省・環の国くらし会議が呼び掛け、「夏至の日の二十二日は午後八時から十時までの二時間、消灯してロウソクの灯りで過ごしませんか」との輪(環)を広げた。東京タワーや道頓堀のグリコネオンの消灯はテレビでも全国に紹介された。
事務局のホームページ(http://www.candle-night.org/)を覗くと呼び掛け人に尾道ではケータイ観光ナビシステム「どこでも博物館」でお馴染みの竹村真一東北芸術工科大学教授の名前も並ぶ。また協賛イベントには新尾道大橋の名も見える。コンテンツには衛星から見た当日の日本列島の夜景と二週間前の夜景の比較写真など興味深く、うまく環境の大切さを伝えるものだと感心する。
尾道では地元の古代ロマンを紐解く稲田全示尾道大学教授が千光寺山麓に鎮座する艮神社境内を会場に妖艶な光のイベントを実施。二十二日夜、学生の力を得て竹を切ったロウソク台とシンプルな灯ろうで石畳に光の紋様を浮かび上がらせた。この模様はお弁当のいしい運営のホームページ(http://www.onomichi.ne.jp/~moon/candle/index5.html)に詳しい。
偶然にも今年初めて夏至の日に出会った二つのイベントは、人間の素直な楽しみと自然環境を再認識させるいい機会になった。夏至の日は高度な科学を手にし、地球にあぐらをかく人類が、今一度、自然に感謝し、永遠を誓う日と考えたい。
付録▼夏至の日と当地域の関係について調べたので少々。
夏至の日は太陽の高度が一年で最も高くなる。各地で太陽と時刻及び方位の関係は違い、時刻は東へ一度進むと四分早くなる。尾道は北緯三十四度二十四分、東経百三十三度十三分(少数以下四捨五入)。この位置では夏至の日は日の出が午前四時五十五分、日の入りが午後七時二十三分。南中は午後〇時九分、太陽は七九・一度の高さにある。(J)


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