びんごトピックス  2003年7月20日号 
 
表紙写真


尾道錨製造跡に24時間スーパー核の複合商業施設

福山市今津町7丁目15-10、国道二号沿いで、ホームセンターユーホー松永店西側、尾道錨製造(株)工場跡が複合型商業施設に生まれ変わる。
すでに工場建屋は取り壊し作業が終わり更地に造成されており、大和ハウス工業(株)福山支店(福山市東深津町3-8-40)が管理地としている。
計画によると同所の国道沿いの約一万一千六百平方mと、南側で道路を隔てた約三千三百平方m、合計一万四千九百平方mが工場跡地で、核として食品スーパーでは岡山県内で二十四時間営業の草分けとして知られ、ディスカウントストアとして急成長している大黒天物産(株)(倉敷市堀南704-5、資本金一億一千五十六万円、大賀昭司社長)が進出する予定。同社はスーパーディスカウント「ディオ」を岡山県内に九店舗、うち七店が二十四時間営業店、生鮮市場ハッピィ二店舗、おかしいちば二店舗計十三店舗、物流センター、加工センターも開設、平成十四年五月期の売上高百十二億二千三百万円、昭和六十一年六月会社設立している。
関係者によると同社のほかにドラッグストア、一〇〇円ショップ、ビデオショップ、飲食などのテナント入店を予定して現在はテナント先の確定が進められており、明春オープンを目指して準備を急いでいる。
計画の複合商業施設が建設されると東隣りに新築オープンしたユーホー松永店やコンビ二店、ビデオショップなどが立地する松永の新しい商業エリアが誕生する。


土井木工庄原工場が製造分野でISO14001

家具製造販売などの土井木工(株)(府中市府川町57-1、資本金四千五百万円、土井啓嗣社長)は六月二十四日、庄原工場(庄原市新庄町王子八八―一五)を対象に環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証を取得した。
登録の対象は同工場での木製家具部材、木製建具、木製住宅関連部材の製造分野。昨年五月から取得に取り組んだ。エンドユーザーの家具の選択肢の一つとして「自然や人に優しい健康的な家具」の比重が増していることに対応できる製造体制の確立と、EU統合の輸出入に関わる家具メーカーや素材メーカーなどとの競争力を高めることが狙い。審査登録機関はJIA―QA(財団法人日本ガス機器検査協会)。庄原工場は平成四年と七年に第一期、二期工事を完成、敷地面積約二万六千平方m、延床面積五千四百平方mの平屋建て、従業員は約三十人を配置。企画、設計、製造、流通の総合生産システムを備えている。
同社がシステム家具などを納入しているハウスメーカーでもISO14001の認証取得企業が増加。さらに七月一日の建築基準法改正では、ホルムアルデヒドなどを原因とするシックハウス対策が焦点となっている。同社では認証取得に合わせ、システムキッチン、内装ドア、造り付け収納の製造に使用する合板、中質繊維板、パーティクルボード、接着剤、塗料など資材の調達も、ホルムアルデヒド放散が最も少なく使用制限のない「F☆☆☆☆」等級に限定、地球環境と人に優しい家具造りを目指す。
認証取得で社員一人ひとりのマネジメント意識を高め、数値目標や改善目標を達成する行動を自発的に行う体制を整えた同社の土井啓嗣社長は「法律の先を行く商品開発が理想。単なる資格に終わらせず今後も活かせるシステムとして、全社的にも段階的に広げていきたい」と話している。
また同社敷地内のショールーム「リビング館DOI」では七月十九、二十、二十一日の三日間、春の新作ブライダルフェアを開催する。問い合わせはTEL0847・45・0123まで。


デニムのクロキが原宿ショールームを開設など新展開

デニム生地のクロキ(株)(井原市西江原町5560、資本金五千万円、黒木立志)は、商品センーターが品質管理システムの国際規格ISO9001の認証を取得した。登録日は五月二十三日。適用範囲がデニム生地の加工品の設計・開発及び製造など、同社では「より一層高品質の製品を提供できるよう努力する」としている。
また、十四日には東京都渋谷区神宮前六―三二―五に原宿ショールームを開設した。同所にあるテナントビル、ドルミ原宿202号室に開設したもので、同社の製品サンプル約五百点を展示。首都圏周辺の顧客の利便性を高め、知名度アップと商談につなげると共に新規顧客開拓にも期待している。
同社は、昭和四十九年十月、会社設立し創業、デニム生地の染色整理加工の有力メーカー、関連会社に黒木織布(株)がある。
主な販売先はカイタック、伊藤忠商事、豊島、興和など大手商社で最近年商四十四億円、安定した高収益を計上している。


井原青年会議所が40周年記念事業コンサート計画

井原青年会議所(川上和洋理事長)は、今年で創立四十周年を迎え、八月三十日(土)に記念式典と懇親会を開く。記念事業も「LD道場」、「屋久島物語」、「絵地図コンクール」と、八月三日(日)には、十五時から十六時三十分まで、井原市民会館大ホールでチャリティコンサート「夢コンサート」MAKE A WISH〜夢がかなうように〜を開催する。出演バンドはシャンテ。シャンテは、フランス語で「歌声」の意味、昭和五十五年、盲学校の先輩後輩で結成し、手話ロックボーカルが加わりオリジナル曲を中心に全国でコンサートを開いている。台湾、アメリカの海外公演でも活躍している有名バンド。チケットは全席自由席で二千円、問い合せは同会議所事務局TEL(0866)62・0420。当日は障害児など二百人を無料招待する。七百人規模の入場者を見込んでおり、収益金は福祉施設に寄付する。
屋久島物語は、小学生と会員の五十人が参加し、大阪からチャーター機を使って屋久島を訪れ、二泊三日の日程で大自然と触れ合う企画。
LD道場は、会員が国立江田島青年の家で一泊二日の研修を行い、自己変革を実行する。
絵地図コンクールは、小学五、六年生を対象に十年後の自分達が成人した時の街を描いてもらう。作品は記念式典当日に展示、入賞作品など発表する。



こぼれ話  2003年7月20日号

「教育で揺れるまち」から発信 夢捉えるバリアフリー映画

八月十六日の公開を前に、情緒あふれる尾道を舞台とした自主制作映画「未来への贈りもの〜ミクハエガク。ココロノママニ。〜」のプレ試写会があった。作品は尾道出身の若き映画監督多田義彦さんを中心とした映画製作チーム「Spread the World」が一年以上かけ制作に取り組んできた力作。最後の仕上げに客観的な意見を求める試みだった。
タイトルを点訳したシールを貼るなどチラシも配慮。視覚障害者には、工夫された効果音とくどくならないぎりぎりまで説明を盛り込んだ台詞。聴覚障害者には、情景がより伝わりやすいようにと練り上げられた役者の表情と、要約筆記ボランティアによる字幕制作…。ハンディのあるないに関わらず楽しめる「バリアフリーな」映画作りは、映画文化の根本にある娯楽をもう一度問い質す力を秘めている。健康な体に宿る心のバリア、ハンディを持つ人が現実に感じるバリア。互いがそのバリアを気持ち良く打ち破ることができるぎりぎりの接点。この映画はそんなバリアフリーの接点にフォーカスが合っている。また観た人が尾道を訪れたくなるような映画作りをもコンセプトとしている。
本業と制作活動の合間を縫ってこまめに来社され、熱心にプロモーションしていたプロデューサーの内田勝彦さんも、プレ試写会では笑顔の中にも緊張の面持ちを崩さなかったが、上映後には成功への道筋を再確認したのか、自信に満ちた表情に変わっていた。
主人公は、画家を夢見ながら八歳で失明し、文字通り闇の中でもがく未来(みく)。過去に縛られたタクシー運転手信夫や未来との関わりの中で人間的成長を遂げる母麗子、未来の病気をきっかけにある目標を掲げた同級生翔太らとのふれあいが映画の基調。それぞれが「こうありたい」と夢を描き、そんな自分に近づいていくなかで交差しあう数々のシーンにはさわやかな感動が散りばめられていた。
夢も希望もない大人に教育される子どもが夢を持てるはずがない。奇しくも民間人校長、教育次長が相次ぎ自殺、教育問題で揺れる尾道から発信されるこの映画は、自分の人生にどう向き合うか、未来を築く夢や未来へと繋がる希望をどうとらえるか、観た人に考え直すきっかけを与えるに違いない。キーワードの「バリアフリー」「尾道」「映画文化」を肌で感じるために最も必要なものは「教育」。「教育」のあるべき姿を見直すヒントに気付く人が増えることにも期待したい。   (N)

第三月曜日「海の日」

七月二十一日は祝日「海の日」。法改正で今年から七月第三月曜日に変った。土曜日休みだと確実な三連休。夏を楽しむいい機会となる。
明治九年、青森から灯台視察船「明治丸」に乗り込んだ明治天皇は七月二十日、横浜に安着された。その日に由来して「海の記念日」が昭和十六年から始まり、平成八年七月二十日、第一回「海の日」を祝う祝典が盛大に開かれた。本質は海への感謝。これは変らない。(J)


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