びんごトピックス  2003年8月10日号 
 
表紙写真


ふくやまブランド農産物5店登録

地産地消を推進するため昨年三月に福山市の呼びかけで設置された、ふくやまブランド農産物推進協議会(福山市園芸センター内、会長岡田昭二=福山市農林部長)は、七月二十八日、アンテナショップ登録店五店舗を決めた。
この五店舗は地場食品スーパーで、▼(株)モリヤマm.VALUE多治米店(福山市多治米町1-15-3)▼(株)さの木の庄店(同士木之庄町1-18-25)▼サニーマート(株)手城店(同市南手城町4-4-31)▼ハローズ戸手店(同市新市町戸手93)▼(株)ニチエー新市店(同市同町宮内40-1)。五店舗には売場の一角にシンボルマークを掲示し、「ふくやまSUN」コーナーを設けて、認定委員会が認定した野菜や果物十八品目を販売する。
登録店の一つ、ニチエー新市店ではふくやまブランドコーナーを設けてアスパラガス、青ネギ、小松菜、青大キュウリ、草戸ナスの五品目を販売している。現在までの認定品目は、ホウレンソウ、細ネギ、キュウリ、グリーンアスパラガス、ブドウ、柿、キウイ、イチジク、すもも、杏、玉ネギ、生姜、ナス、青大キュウリ、ミズナ、イチゴ、小松菜、春菊の十八品目。
生産者団体は十七団体を認定している。認定を受けるのは、栽培技術に優れている、適切な栽培基準・出荷基準を受けている。生産者個々の農産物の栽培履歴を認定できる。(栽培・出荷管理記録を記帳)、の三点を満たしていること。推進協では、シンボルマークの適性表示、農産物の鮮度、安全性等について調査する。不適合や不正等のあったときは登録を取り消す。
ブランド品のPRは、アンテナショップを中心に、シンボルマークやブランド農産物を広く消費者に周知すると共に、多様な手法で宣伝する。
同推進協は、食の安全意識の高まりの中で、市民が身近なところで安心して市内農産物を購入できるよう市内産の優れた農産物をふくやまブランドとして表示し、安全供給することを目的に昨年の三月二十五日設立した。参加会員は次の通り。
▼福山市園芸振興連絡協議会▼ふくやま農業女性の会▼福山農業後継者クラブ▼福山地域農業士の会▼福山地方卸売市場流通対策協議会(生産者代表)▼福山市生活学校連絡協議会▼福山市女性連絡協議会▼福山大同青果(株)▼福山青果仲卸人協同組合▼福山青果商業協同組合▼(株)福山地方卸売市場▼JA福山市指導部長▼同組合員課長▼福山市農林部長▼同農政課長▼同園芸センター所長など代表者十六人。顧問に県福山地域事務所農林局地域営農課長と農林振興課長が就任している。
ふくやまブランドの認定委員には十二人が委嘱され、JA福山市指導部組合員課長の門田泰則さんが委員長を務めている。
 福山市内の主な農産物と年間生産量は、キュウリ四百t、ブドウ三百五十t、ホウレンソウ二百t、富有柿二百t、イチジク八十tなどが栽培量の多い品目。


伊達孝昌さん朱華園チームで快走中

バイクレーサーというゴールに向かって快走中の十九歳、伊達孝昌さんが七月十三日に岡山県英田町のTIサーキット英田で行われた五〇ccクラス耐久レースとTT―F3レース(2ストローク二五〇ccクラス)にダブルエントリーし、西日本各地のアマチュア強豪を退け、見事両レースで優勝する快挙を遂げた。
伊達さんは観光客を尾道市へ引き寄せる人気ラーメン店の朱華園(尾道市十四日元町4-12、壇上正儀社長、TEL0848・37・2077)に勤務。仕事の合間を縫ってTIサーキットで練習を重ねている。
朱華園の壇上社長(50)も若い時分はレースで鳴らしたバイクファン。「Team・尾道・朱華園と2&4」とうチームを組んで、バイクレースを楽しんでいる。伊達さんは高校時代にバイトで同店に勤務。バイク事故で入院したとき、見舞いに来た壇上社長が「それほど好きなら公道で飛ばすな」と諭したことがきっかけでレースの道に入った。
優勝した耐久レースは父親の博行さんとチームを組んで出場。九十分を逃げ切った。TT―F3は一周約三・七kmのコースを七周、駆け引きも身に付け、スタートから安定した走りとテクニックでチェッカーフラッグを受けた。
壇上社長の「レースは派手なようで地味。挫折の積み重ね。自分との戦いから人間的に学んで欲しい」とのエールを受け、伊達さんも「全日本グランプリに出場したい」と夢を膨らませている。


福山に「バイオデバイス研究会」発足

財団法人ひろしま産業振興機構福山支所(福山市三吉町1丁目1-1、県福山地域事務所内)は「福山バイオビジネス交流会」の事業の一環として、福山地域のバイオ関連企業六社と県立東部工業技術センターが参加して、七月二十八日(日)、県福山地域事務所五階で「バイオデバイス研究会」を発足した。
当面は、リアルタイム定量ポリメラーゼ連鎖反応改良方法を検討すると共に、来年度の経済産業省所管の地域コンソーシアム研究開発事業の採択を目指している。
昨年、産学官で発足した福山バイオビジネス交流会事業の一環として発足した同研究会は、生命科学などの最先端研究に不可欠な計測機機や分析装置の開発等を目的としており、当日は、同支所から疑問点の整理や解決すべき技術的課題と目標の設定PCR技術(遺伝子DNA増幅法の一つ、DNAのうち目的とする一部だけを、ポリメラーゼを使用することにより、百万倍にも増幅する技術)などについて説明があった。
参加企業は▼木曽精機(株)(福山市引野町、木曽一成社長、半導体製造装置)▼(株)栄工社(同市南町、唐川正明社長、電気機器販売・電子制御盤等)▼(株)日本総合科学(同市水呑町、近本肥于社長、計量法に基づく計量証明)▼(株)扶桑理化(同市松永町、島田清豪社長、理化学機械販売)▼ヤスハラケミカル(株)(府中市高木町、安原禎二社長、テルペン樹脂・化成品・ラミネート品・ホットメル接着剤製造)▼(株)福山臨床検査センター(福山市草戸町、近本肥于社長、臨床検査・衛生検査・調剤事業等)▼広島県立東部工業技術センター(同市東深津町)、福山大学生命工学部の山口泰典教授が協力する。


アズレイバーサービス福山支店が作業員強化

人材アウトソーシングのアズレイバーサービス(株)福山支店(福山市三之丸1-18アークビル三階、TEL084・973・7444)は、主体の飲食店やイベント関連などサービス業の請負に加え、建設現場作業補助の請負を強化する。
同社ではサービス業への請負が全体の三〜四割。中でも飲食店のホールスタッフや調理補助、スーパーでの試供品配布、イベントスタッフなどの請負が主。福山支店開設後三年で顧客も百事業所を超えた。今後は一人から数十人単位の受注が見込まれる建設現場補助作業の受注強化を目指す。セメント打ちやガラ出し、掃除などの土木工事、トンネル工事での補助作業で、地元の中小建設業者の経営合理化を支援する。
同社の特徴は、初めての請負先ではアズレイバーサービススタッフが登録スタッフと一緒に汗を流すこと。同支店の加茂貴久支店長も現場での作業に加わり、仲間意識を持ってもらうことで、チーフに指名された登録スタッフがより効果的に他の登録スタッフを統率できるようになるという。「登録スタッフの積極的な姿勢がお客様の満足につながっている」と同支店長は分析する。また同支店長は広島県中小企業家同友会やその他の経営者の勉強会など多くの団体に積極的に参加し人脈拡大にも努めており、現在ではほとんどが紹介による受注という。登録スタッフ数も、登録スタッフの知り合いが次の登録希望者を紹介するなど、経費をかけない仕組み作りで約五百人まで増やしている。
人との関わりを避けがちな若い人の出会いの場として同社を成長させたいとする同支店長は「仕事は何でも一緒。一生懸命できるかどうかが大事です。現役の登録スタッフや過去に登録した登録スタッフ同士でもネットワークを作って欲しいし、そう誘導できる『人材モチベーター』を目指し各スタッフがそれぞれの目的に気づき共に成長します」と話している。



こぼれ話  2003年8月10日号

丁か半か、水か油か 羊飼いの語る沸騰点

竹中平蔵経済財政・金融担当相が四日、さいたま市でのタウンミーティングで日本経済について「沸騰点にさしかかってきたと自信を持っていいのではないか」と語り、その次期に関連しては「半年か一年で変化が出てくる」との見方を明らかにした(日本経済新聞より)。
国際資本の影響力が強いとも言われるアメリカ経済。そうしたアメリカ経済学者と親しい竹中氏が国際資本中枢の情報を基にしてこの発言をしたなら信憑性も高い。
しかし秋には衆議院選挙となりそうな日本の政治情勢を考えれば、小泉首相と再び勝ち船に乗ろうとするリップサービスにも聞こえる。
地方の中小企業経営者から見れば頭のいい経済学者の分析も今やギャンブルと同じ。丁と言う人もいれば半と言う人もおり、誰に掛けるかの判断でしかない。過去数年、振り回され続けてきた実感からは、オオカミと羊飼いの話に例えるまでもない。「日本経済が立ち直るかどうかはムードだけ」といった意見も叫ばれて久しい。秋の選挙が沸騰点を目前に水を掛ける結果にならなければいいが、と懸念する人も多い。
燃え上がる燃料となるのは消費者心理と設備投資意欲。それは中小企業経営者の中に確かにかなり貯め込まれている。風吹かば出陣!と機械や情報機器などを買い控えている経営者の気持ちも感じられる。しかし少子化にブレーキを掛ける育児支援対策やデフレの中で老後資金に不安を持つ世代が多いのも事実。老人介護制度の確立など政治課題はまだまだ多い。
ただ、燃料もそろそろ燃え上がりたいとうずうずしている。まかれるのは水か油か、そんな興味が持てるタイミングになったことだけは間違いなさそうだ。夜明け前が一番暗い…今がそうだと願いたい。

尾道の甘いひととき

尾道市内で七月二十三日から二十五日かけてかなり大掛かりなテレビCMロケが行われた。広告主はネスカフェジャパン。旧玉里渡船、住吉神社前、浄土寺、久保小学校、千光寺道など、どこかノスタルジックな日本の生活の原風景的な場所がロケ地に選ばれている。
予定では九月から十二月にかけて全国放送されるそうだ。題名は「ネスカフェ 甘いひととき 『秋の家路』編」。校庭を横切り、海沿いの道を走り、路地を駆け抜け、息をきらして、まっしぐらに家へ。「ただいまーっ!」と叫ぶ少女。娘の帰宅にケーキとコーヒーを出す母親。どんな作品になるのやら。正に甘いひとときがぎゅっと凝縮された、ほのぼのとした作品となりそうだ。
この「ほのぼの」を支える舞台裏は「てんてこ舞」だった。おのみちフィルム・コミッションが大勢のエキストラを集めて支えたが、決して画面には出ないカメラリハーサル要員など、多くはミーハーな気持ちでは務まらない裏方奉仕だった。尾道がロケ地に選ばれた理由は決して建物や自然の風景だけではなく、こうした人情がまちに溶け込んでいるからだろう。そんな人情がどう作品に写るか、それも楽しみだ。(J)

このページのトップへ