民間福祉企業の(有)トッツ(尾道市高須町西新涯5605、狩野牧人社長)は一月五日、デイサービスセンター「ふぁみりぃ」(同所)に続く、二番目のデイサービスセンター「ふぁみりぃみどりの郷(さと)」を尾道市木ノ庄町木梨887-1にオープンさせた。
みどりの郷(藤井俊和所長、定員三十人)は敷地千八百七十六平方mに鉄骨平屋建て、延床面積三百三十四平方mの施設を建設した。設計・施工は(株)佐藤工務店。
施設は平成十四年十二月にオープンした「ふぁみりぃ」と同様にゆったりとした間取りで、入浴施設、畳の和室スペース、調理スペース、マッサージスペース、機能訓練設備などを備える。
周囲の環境を生かし、風呂からは庭と山の緑が眺められ、温泉気分も楽しめる。また建物の前に土いじりができる庭、裏にはコンテナハウスを設置、近くカラオケ専用ルームも設ける。
ふぁみりぃは集団レクリエーションを行わず、個人の楽しみをスタッフが手伝う運営が人気で、人手がかかる散歩、買い物への付き添いにも積極的。両施設とも指定居宅介護支援事業所を併設している。また同社は愛育保育園も経営、園児がデイサービスセンターを訪ねる交流も行っており、両者から好評を得ている。
みどりの郷の電話番号は0848・56・1739、FAXは56・0811
尾道市(亀田良一市長)は、一月十四日付けで、尾道市東京事務所を開設する。県内では広島市、呉市、福山市に次ぐ四市目。
東京事務所は、東京都千代田区丸の内1-8-2、JR東京駅八重洲北口前で、徒歩五分の第一鉄鋼ビルディング五階(床面積六十三・六三平方m)、内部にはミーティングルーム、パソコン、荷物の一時預かり用コインロッカー、FAX、コピー機などを備え職員二人が常駐する。尾道から東京を訪れる人の商談、待ち合わせ、資料の送付先、資料の修正作業等に利用できる。利用についての問い合わせは、尾道市産業文化部商工課TEL(0848)25・7182、FAX(同)25・7293。東京事務所TEL(03)5288・5572、FAX(同)5288・5573、業務時間は午前八時三十分から午後五時十五分まで、休業日は土・日・祝日、年末年始。
なお、一月十四日午前十一時から都内の帝国ホテルで開所記念交流会が開かれ、藤田雄山県知事、尾道市から亀田良一市長、松谷成人議長ら関係者と地元選出国会議員、在京の財界人や文化芸術関係者が出席する。
尾道市では首都圏での地域内企業の活動をサポートし、尾道ゆかりの人的ネットワークを広げることによる産業振興支援を主な目的として東京事務所開設に踏み切った。
三百年以上続き、北前船の寄港でにぎわった当時を伝える尾道浜問屋協同組合(片岡文彰理事長=(株)カタオカ社長、四十四組合員)の恒例初市が五日、尾道市土堂2丁目の住吉神社境内で開かれ、約百人の仲買人らが競り声を響かせた。
初市に先立って今年の好市況を神前で祈り、組合員企業の永年勤続従業員を表彰。その後、境内に並べられたイリコ、ちりめん、するめ、昆布など約七十種類の海産物相場を占う初市が始まった。
昨年から価格を紙に書いて競り人に手渡す入札方式に変更。真剣味とご祝儀を織り交ぜ、価格を決定していった。出来高は全体で三万七千八百キロ、昨年より約二〇%減の三千五百八十四万円だった。
以下は主要品の昨年の市況。
ちりめん▽上品二千円〜二千五百円/キロ。春は好調な水揚げだったが九月から一転して不漁。しかし相場は安値で推移。今年は秋の不漁を受けて強含みの予測。
煮干(いりこ)▽上品千五百円〜二千五百円/キロ。瀬戸内海は大不漁。カタクチイワシがたくさん獲れたものの、煮干製品にならない脂がのったものばかりで厳しい一年だった。長崎も大不漁で例年の五〇%という水揚げ。
剣先するめ(ベトナム産)▽Mサイズ二千六百円〜二千四百円、北海するめ(前浜物)4上千二百五十円〜千三百五十円。価格は昨年十二月現在。日本向け九〇%のベトナム産は、品質、雑菌などに厳しい日本向けが敬遠され、他国に流れている。北海するめは八戸沖で例年の漁獲ながら羅臼沖で少なく、単価も昨年の一五〜二〇%高。
日高昆布▽二等二千三百五十円/キロ。釧路昆布▽二等千百五十円/キロ。平成十五年の北海道における昆布生産予想数量は二万千トンで前年の二万四千八百三十八トンからかなり減少。原因は例年より水温が一〜二度低く、みいり、長さが悪い。また場所によっては流氷の接岸で被害があった。
同組合の片岡理事長は「海産物は四年サイクルという経験則があってここ三年は厳しかった。今年は豊漁と強気の相場が期待される」と今年の展望を話している。
三原市は五日、市内宮浦2-1-1の市文化会館老朽化に伴う新文化会館建の計画で、基本設計、実施設計を委託する事業者の公募を始めた。三原市では初のプロポーザル方式。
プロポーザル方式は、建築設計を委託する上で、設計案ではなく、業務に最も適した人(設計者)を選ぶ方式。応募者は技術力や経験、設計の体制などを含めたプロポーザル(提案書)を作成し提出、公正な評価で設計者が選定される。今回は、平成十一年度以降、公立文化ホールの設計業務を受託していることなどの条件を設けた公募型。業務名称は「三原市新文化会館の建設に関する基本設計、実施設計業務委託」、業務内容は「三原市宮浦公園内(現三原市文化会館・武道館敷地を含む)に新文化会館を建設するため、その基本設計・実施設計を行う」。履行期限は平成十六年十二月二十八日。
応募者は所定の様式で回答書を作成し提出する。市HPで応募要領を閲覧できるほか、回答書の作成様式、建設予定地図面などをダウンロードできる。問い合わせはTEL0848・67・6009企画課まで。
審査委員会は、委員長に広島大学大学院工学研究科杉本俊多教授、副委員長に同大学環境学部環境デザイン学科村上徹教授、ほか大学助教授や市文化協会理事ら七人で構成する。
選定基準は業務経歴や担当チーム技術職員の経験・能力、建設に対する考え方など。二月中旬に書類審査による一次審査、三月上旬にプレゼンによる二次審査を予定している。
三原市文化会館は昭和四十一年に落成、築三十八年になる文化施設。大ホールは固定席千十七席、立見席百二十四席、車椅子専用席七席で主要な文化行事などで利用されている。ほかに会議室、茶道教室・生花教室などの和室、料理教室、幼児室などを備えている。
今年も新年互礼会が各地で開催されている。福山商工会議所と福山市の合同新年互礼会には三百六十人が出席、尾道商工会議所と尾道市の合同新年互礼会には三百八十人が出席、府中商工会議所の単独の新年互礼会には三百人が出席した。
今年は昨年と違い、誰からも景気回復を願う気持ちが強く表れ、景気が底を打ったというのが共通認識だった。苦労は今年も続きそうだが、その先に光明を見る明るさが出てきた。しかし政治家となると話は別。まだまだ光明は見えず、混迷の最中。こと小泉内閣に異議を唱える亀井静香衆議院議員の地元、尾道ではそのムードが強かった。
尾道の互礼会は地元の四代議士が揃って出席し、あいさつをするという晴れ晴れしさで、昨年と今年の政治的重みを知らせる新年となった。
亀井氏は昨年十一月の選挙で見事に当選したものの、元自民党政調会長という自民党を代表する立場と自ら率いる亀井派の長として全国を応援演説に歩いたため、地元にはほとんど帰らず、一瞬はまさかと関係者を心配させる選挙戦だった。
一方、民主党員となり、小選挙区で敗退したものの、比例区で復活当選を果たした佐藤公治氏は、前回を上回る勢いと尾道、三原で亀井氏以上だった得票で周囲を驚かせた。
そして今年は二大政党時代の今後を占う参議院選挙の年。四人の代議士がそろった尾道の互礼会は、そんな日本の政治情勢を表していた。
四氏ともが登壇してあいさつを行ったが、そのトップバッターは亀井静香氏。昨年を振り返り、「理念を訴え続けた結果、落選しても仕方ない。私は戦うために国会議員をさせてもらっている」ときっぱり。公共事業の必要を説き、「ここに佐藤さんもおられる。戦うときは戦うが、国と故郷を思う気持ちは同じ。手を結んで協力するところはしていかなければと思っている。日本全体が萎んでいる。放置していたら先がない。成長路線に戻すべき、今は人為的にマイナス成長」と持論の政策変更の必要を話した。
続く佐藤公治氏は「たくさんは話しません。家内から亀井さんの前で余計なことを言わないように釘を刺されて参りました。既にこれが余計なことかも知れませんが…」と庶民派らしい前置きの後で、「ただ一つ言いたいことは、どうか皆さん、若い方を育ててください。私も四十四歳になり、人によっていろいろな歳に受け取れる年齢ですが、まだまだ。私もぜひ育ててください」とさらりと一矢を報いるあいさつ。
続いて溝手顕正氏と亀井郁夫氏も順に登壇。選挙の年に当たらない溝手氏は「昨年は選挙の多い年。自民党がお世話になりました。今年も選挙が控えており、お支えいただくようお願いします」と自民党支援を訴え、今夏に選挙を控える亀井郁夫氏は「私は一番大事な教育問題をやっていきたい。尾道地区でも苦しんでいる問題がある。今年は教育基本法の改訂に向けた重要な年。一生懸命がんばりたい」と教育改革への意欲をあいさつに変えた。
交通の要衝、尾道は政治理念の交差するまちでもあった。(J)