びんごトピックス  2004年1月20日号 

 表紙写真    


「広島県アパレル工業組合」新発足

県東部を主に県内の被服縫製業者が加盟している広島県被服工業協同組合(福山市新市町大字新市31-1)と広島県被服工業組合(同所)の両組合は、組合員もほぼ同じで役員も兼務していたことから、両組合の事業を一本化して統合し、一月から「広島県アパレル工業組合」として新発足した。
昨年十一月十七日に臨時総会を開いて統合について承認した。中国経済産業局の認可を受け、十二月二十四日付けで法務局への登記も完了している。工業組合を解散し、協同組合を存続会社とし、組織変更した。
協同組合は昭和二十四年創立、組合会館の運営、金融事業、福利厚生を主な事業としており、組合員百三十二社が加盟している。
工業組合は、昭和三十五年創立し、縫製業に関する指導及び教育、情報や資料の収集、調査研究を主な事業とし組合員は五十二社が加盟している。
新発足した広島県アパレル工業組合には百三十二社が加盟した。佐藤八郎専務理事は「業界は厳しい経営環境にあり、二つの組合を統合して集約化、活性化に向けて組合員が結束して逆風を乗り越え、全国的な産地組合として一層の発展を目指したい」と新発足に期待している。
新しい役員構成は次のとおり。
◎理事長=信岡正郎(写真=(株)コーコス信岡社長)、◎副理事長=後藤克公(加富屋(株)会長)、出原群三((株)自重堂会長)、山名作太((株)山名繁治郎商店社長)、平謙介(クロダルマ(株)社長)、◎専務理事=佐藤八郎、◎理事=森田毅(森田基(株)社長)、田邉克弘(山和(株)社長)、高橋務(丸芳(株)社長)、佐藤優(サンエス(株)会長)、由永尚義((株)由永縫製会長)、内田静丸(ビッグボーン(株)社長)、渡邉利昭(ワークタイガー(株)会長)、児玉廣造(旭蝶繊維(株)社長)、塚弘光((株)塚孝市商店社長)、大崎勲一(クロカメ被服(株)社長)、林吉宏(ハチダイヤ(株)社長)、平川秀之((株)イーブンリバー社長)、川原明((株)川原センイ社長)、小川一利((株)セカイトンボ社長)、福永一夫(アパレル アイ(株)社長)、藤原眞司((株)藤和社長)、後藤昇((株)ジーベック社長)、鎌倉博治(ブルーウェイ(株)社長)、平祐介(シンメン(株)社長)、高橋邦治((株)大盛センイ社長)、江草和広((株)クレヒフク社長)、山根久典(山根被服(株)取締役)、中塚恭平(中塚被服(株)社長)、◎監事=井口和明((株)井口商店社長)、有木康彦(有木(株)社長)、棗田和敏((株)ナツメダ社長)、橘高佳明(橘被服(株)社長)


ひろぎん尾道住宅ローンセンターオープン

広島銀行(本社=広島市、高橋正頭取)尾道支店(尾道市土堂2丁目7-11、先城実執行役員支店長)は十三日、尾道駅前支店(同市東御所町1-15)内に、支店用カウンターを縮めて本店直轄となる「尾道住宅ローンセンター」(堀野裕史センター長)をオープンさせた。
尾道住宅ローンセンターはこれまで尾道支店直轄で同支店内に置いていた尾道住宅ローンプラザを組織変更して格上げしたもの。専任スタッフ三人を置き、住宅ローンに関する多様なニーズに迅速かつ的確なサービスを提供する。住宅施工業者との結びつきも強固にし、情報収集機能を高めて住宅取得を検討する人に利便性の高いセンターを目指す。
住宅ローンセンターは広島銀行が平成九年十一月から設置を始め、尾道住宅ローンセンターが八カ所目。県東部では福山住宅ローンセンターを十二年一月に設置している。
住宅ローンセンターはマイホームの新築、増改築のほか、マンション購入、アパート建設などの資金需要に対応する。現時点での「ひろぎんスーパー住宅ローン」の固定金利は三年一・四%/年、五年一・九%/年、十年二・五%/年など。尾道のセンターでは尾道、三原エリアを担当。営業時間は午前九時から午後三時。専用電話は0848・24・1010、FAX同24・1011
また同行は尾道地区の新営業戦略体制を十三日から実施。尾道支店を中核店とし、尾道駅前支店(小原将広支店長)を傘下店とするブロック営業体制をスタートさせた。
ブロック営業体制は中核店に融資、渉外機能を集中させ、傘下店を窓口営業に特化させる体制。平成十二年五月に呉地区の広ブロックで始まり、現在三十三ブロック。ブロック内の営業を効率化させ、専門性とスピード、きめ細かいサービスを両立させる。また渉外は個人、法人、医療関係にセグメントし、カテゴリーごとの戦略で活動する。
同行は住宅ローンセンターの設置やブロック営業体制でファーストコールバンク運動を推進している。


やまみの厚揚げ生産新ライン完成

豆腐加工製品メーカー、(株)やまみ(三原市沼田西町小原73-5、資本金二千七百万円、山名清社長、TEL0848・86・3788)は二月下旬から販売開始予定の厚あげ製造ラインが完成、試験稼動を始めた。
今回の新製品名は「やまみ しっかりおいしい厚あげ」。従来は販売期間が三日だったものを、冷凍食品工場や洋菓子工場など分野の違う食品工場で取り入れているフリーザやクリーンルームなど品質管理技術を導入することで六日間に延長可能とした。さらに揚げたてのしっかりサクサク感を残しながらフレッシュな仕上がりも実現した。
新ラインの投資額は約二億円。完全自動ラインのため、従業員の増員数を三人に抑えた。関西から九州までの西日本全域にわたる約五千店舗に出荷、初年度三億五千万円〜四億円の販売額を目標にしている。
同社は平成十二年三月に本郷町の工場から現在地の三原西部工業団地に全面移転。全自動ラインによる効率的な生産ラインと同時に、衛生対策工場として靴の消毒、エアシャワー施設を始め、豆乳搬送パイプには継ぎ手のない乳業メーカー並みの設備を使用するなど、工場全体で徹底した品質管理を行っている。
工場中心部には二階から見下ろせる見学通路を設け、取引先や地元小学生などの見学に応じている。
平成十五年六月期の売上高は約十億円。今期は十三億円を見込み、豆腐単独の製造では中国地方最大手となっている。敷地は移転時の一万三千二百平方mから昨年隣接する同面積の一万三千二百平方mを取得。合計で二万六千四百平方mの豆腐工場となっている。
同社の売り上げ急伸を支えたのは新商品の仏通寺禅どうふシリーズのヒット。特に通常の豆腐を半分のサイズに小型化、二パックを連結した新タイプが核家族化する消費者ニーズを捉えた。禅どうふは通常の豆腐より単価が高く、小口化によりさらに高くなった。一般の豆腐が四百グラム五十八円から七十八円。禅どうふ二パックタイプは三百二十グラム百三十八円。これによって生産量を増やさずとも売上高が伸びた。
山名社長は「これからも隙間を狙った商品を育てたい。スーパーで最も数が出る豆腐ではなく、少し高くても確実に売れる商品。禅どうふは国産大豆100%はもちろん、しっかりしたコクが特徴、リピーターにつながった。厚揚げも同じ、品質管理と味で勝負したい」と話す。平成十八年六月期には二十億円突破を目指している。


松本デザイン事務所が自動翻訳メール代理店に

デザイン、商品企画開発などの(有)松本デザイン事務所(府中市高木町541-1亀井ミシンビル二階、TEL0847・46・3780)はこのほど、システム開発の(株)インパルスジャパン(東京都)が開発した多言語自動翻訳メールサービス「マジカルゲート」の岡山県統括代理店・広島県代理店として契約、現在、代理店と販売店、利用者を募集している。
「マジカルゲート」は、「国際交流・言葉の壁撤廃」をコンセプトにインパルスジャパンが開発した、文字化けしない多言語自動翻訳機能付きメール。インターネットを使用できる環境で、年間利用料二万千円(税込み)で会員になれば、普通のメールの感覚で、母国語で宛先、件名、内容を記入し翻訳希望言語を選択し送信すれば、自動的に翻訳されてPDFファイルで相手に届く。また翻訳結果をメール送信前に確認でき、送信先には翻訳文とともに原文も送信される。送受信量は無制限。
対応する言語は日本語、英語、韓国語、中国語、台湾語(現在利用可能)、ポルトガル語(今年三月から)、スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語(六月から)、ロシア語(未定)の十一言語で、対応言語同士のメールも翻訳可能。翻訳には、日本IBM(株)、(株)高電社の翻訳エンジンを採用し、専門用語にも対応。翻訳できない新語は、サーバーに入った段階でスタッフが随時登録するなどリアルタイムに翻訳制度が向上するシステムとしている。またコミュニケーション支援サービスとして、昨年七月には中小企業経営革新支援法の承認も受けている。昨年三月には京都市の教育委員会が国際コミュニケーションツールとして採用するなど、実績を拡大しているサービス。
松本デザイン事務所は昨年末に岡山県統括代理店として契約。岡山営業所(岡山市中仙道)では代理店、販売店とエンドユーザー、福山市から東広島市までの広島県東部では主に販売店とエンドユーザー開拓を進めており、日に一件の割合でユーザー契約があるという。今月から営業社員五人体制で営業活動を活発化させる。松本昭登社長は「ビジネス、一般両方の顧客開拓が狙える商品」と期待している。同社HP(アドレス=http://a-mt.com/)でも紹介。問い合わせは上記TELかメール(アドレス=akito@a-mt.com)。



こぼれ話  2004年1月20日号

官の新成人への一喝 新成人の官への一喝

成人式の一月十二日、福山市ではリーデンローズで開かれた成人式に約三千百人が出席した。昨年二月に新市町・内海町と合併した福山市は対象となる新成人を男二千三百七十一人、女二千四百五十九人の合計四千八百三十人に膨らませた。
もしかしたら、新市町・内海町から参加した新成人たちは町を越えて公式行事に参加したのは初めてだったのではなかろうか。成人式で自分たちの住まうまちの長、三好章市長と初めて顔を合わせたという人も多かったのではないだろうか。
しかし成人式で登壇した三好市長の第一声は「少し静かにして聞いてください」だったから、いわゆる第一印象は「うるさ型」「怖い」といったマイナスのもので、少々残念だったに違いない。
確かに少々騒がしかった。また会場にいた多くは気が付かなかったがどこかで男性が酒を飲んで悪酔いしたあげく、救急車を出動させる騒ぎも起こしたようだった。それでも福山市の成人式は感動的だった。
福山市民となった新市町からは備後しんいち鬼炎太鼓のメンバーが開会前のアトラクションを担当。若々しくもエネルギッシュな太鼓と笛の演奏を披露した。その間、会場の数千の目はステージを凝視、社会人にふさわしい態度で祝福してくれる演奏者らに称賛を与えていた。
そして式典後の記念行事。満席に近い会場は式典終了とともにわずかな参加者が退場したものの、ほぼ満席状態を保ったまま、備後ばらバラダンサーズ&よさこい踊り隊(約九十人)のステージに移行した。
このステージも参加者を釘づけにした。若者好みのアップテンポのリズム。一流のダンスチームと見まがう艶やかなダンス。趣きを変え、それぞれが自由な衣裳で明るい、伸び伸びした行動力を見せた踊り。会場の振袖もゆらゆら揺らめいていた。
最後はよさこい踊り。威勢のいい掛け声に合わせ、会場いっぱいの踊り。みんな楽しい踊りが大好きな仲間だといわんばかりの連帯感を披露した。どの踊り手も見ていて実に楽しそうだった。はるばる遠方から帰郷して、故郷の大人はこんなに楽しそうなのか…と感じた新成人がいたとすれば、これほど意義深い成人式はなかったと思える。
備後ばらバラよさこい踊り隊(木村真弓隊長)は結成三年目。福山ばら祭や広島フラワーフェスティバルに参加、オリジナルのよさこい踊りを披露してきた。昨年は隊員が二百人を超え、今年から三組に分けるほどの盛り上がり。若者のエネルギーを吸い寄せる一大市民団体にまで成長している。
福山市成人式は投げかけた企画募集には誰も応募がなかったが、力強い助っ人たちが見事に新成人の門出を祝った。民のパワーに圧倒され、手本を示すべき三好市長が登壇の際に市旗、国旗に一礼を欠いたことが気になった。一喝で静めるしか方法のない官。ハツラツとしたエネルギーで心を釘づけにした民。新成人のエネルギーをどれだけ政治に向けられるか、大きな政治課題となっている昨今。無投票は官への一喝と受け取るべきだろう。(J)

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