花かつお製造の(株)まるじょう(尾道市古浜町2-50、資本金一千万円、村上浩太郎社長)は、郵便局と提携したゆうパックで「尾道味だより」を販売するなど、通販部門商品を強化している。
ゆうパックは昨年十月から今年三月までの期間限定。販売しているのはソフトふりかけ、だしの素、かつおパック(頑固職人削り)の三種類を絵手紙風のデザインで特別包装したセット商品(三千円、郵送料・消費税込み)。申込書を兼ねた専用リーフレット五万部を作製、尾道地域を中心に中国地方の郵便局へ配布している。
デザインに使用している絵手紙風の作品は取引先から紹介された香川智美さん(広島市)が同社のために作成したもの。化粧箱には西国寺仁王門、浄土寺多宝塔、芙美子像などが描かれている。商品は一年ほど前に開発した。
また、ゆうパックとは別に、同社商品のリピーターを中心に会員とした通販部門に、昨年後半からは「尾道食彩工房」も投入、新製品も加えて積極的に展開している。
通販では単品の数量まとめ買いのほか、一度食べたら癖になるという自信作「特選本枯節花かつお」や定番の「だしの素」、新商品の「ふりかけ鰹と有機ごま」の三種類を箱詰めにした「尾道の味お試しセット」も特別割引価格の千八百九十円(消費税・送料込み)で用意している。
通信販売の送料は全国一律五百二十五円(北海道、沖縄県、島嶼部を除く)。三千円以上の購入で無料になる。フリーダイヤル0120・46・7853で受け付けているほか、ホームページhttp://www.e-marujo.co.jpでも商品を選んでメール注文できる。
同社は主力のだしの素、かつおパックなどを中国地方を中心としたスーパーへ販売するほか、全国のギフト業者へ結婚式の引出物としてかつおギフトを出荷している。引出物用にはブライダルカタログを作成、華やかな風呂敷に水引きを添えたセットや天使をあしらった包み紙に包装した若い感覚のセットなど多様な提案を行っている。最近の年商は約十二億円。村上浩太郎社長の体制が四年目を迎え、コンピューター化や通販部門の基盤整備が進んでいる。
佐藤汽船(株)(尾道市新浜1-6-15、佐藤忠男社長=尾道商工会議所会頭)は一月二十一日、(株)大島造船所(長崎県大島町)で建造していた大型貨物船「グローバル エース」が完成、引渡しを受け、日本郵船(株)の傭船でオーストラリア、チリ、中国など三国間を結ぶ航路で石炭、穀物、パルプ製品などの輸送を始めた。同船の就航で同社は二十隻体制となった。
竣工式では小学生らが関係者一行を歓迎、石川浩日本郵船(株)特別顧問(元副社長)によって「グローバル エース」と命名された。
同船は長さ一八八・五m、幅三二・二六m、深さ一七・一五m、載貨重量五万二千三百一トンのバルクキャリア(ばら積み貨物船)。最高出力一万九百四十馬力の三菱重工製エンジンを積み、巡航速度一四・五ノットで航行する。
佐藤社長は「外航海運は活発化している。しかし利益は為替に大きく左右されるため、円高が気になるところ」と手綱を緩めず、為替変動を見守っている。
ホームセンター大手の(株)コメリ(新潟県白根市茨曽根4453-1、資本金百八十八億二百万円、棒雄一郎社長)が、県東部進出第一号となる「コメリハード&グリーン沼隈店」が近く完成し、オープンする。
県東部では、河内店(賀茂郡河内町)、瀬戸田店(豊田郡瀬戸田町)を新築中。県内ではすでに県北の豊栄鍛冶屋店(賀茂郡豊栄町)、三次秋町店(三次市)、加計店(山県郡加計町)、千代田有田店(同郡千代田町)、八千代笹井店(高田郡八千代町)の五店が営業しており、農村部や小都市への出店で、一千平方m規模の小型の専門店を、都市圏でない小商圏狙いの店舗で出店する戦略で店舗展開しているのが特徴。沼隈店は敷地三千八百四平方mに、鉄骨造り平屋建て千七十五平方mの店舗を完成している。現在は周辺工事を急いでおり、岡山市西大寺に開設している中四国地区本部では従業員募集も始めている。沼隈店の隣接地にはスーパーのニチエー、ハローズ、医薬品のザグザグ、ファッションランドマスダのほかに益田市本社のホームセンタージュンテンドー沼隈店が営業している。
コメリ沼熊店の県内進出で、県東部でも地元業者と大手ホームセンターとの販売競争が本格化し、生き残りをかけた商戦が展開される。
コメリは昭和三十七年創業のホームセンターで、新潟県内(七十二店舗)から東北(百二十七店舗)、関東(百二十八店舗)、中部(百二十五店舗)、近畿(八十五店舗)、中国(二十店舗)、四国(三店舗)へと全国展開を始めており、昭和六十二年十月に株式公開している。平成十五年三月期業績は連結で、売上高二千四億八千九百万円、経常利益百十四億千六百万円、当期利益六十二億二千四百万円を計上している。今三月期は売上高二千二百十億円を予想している。
建築業などの藤井興産(福山市神村町1503-125、藤井徳二郎代表、TEL084・934・7483)が開発した、特許公開中の竹酢液蒸留装置を二月十二日から行われる「びんご産業市場」に出展するなど、ヒット商品に成長させる準備が進んでいる。
開発した蒸留装置は、外観は縦長のステンレス缶で、高さ百六十cm、直径六十cm。装置底部に電熱ヒーターを設置、内部を原料加熱槽、粗液生産槽、精製液生産槽、冷却水槽など七層に分け、粗液と、透明度の高い精製液の二種類の竹酢液を別々に取り出せるのが特徴。生産能力は一時間で計六g。現在特許公開中で、今春にも特許が下りる見通し。小売価格は百二十万円前後を予定している。中国電力の関連会社で電気温水器などを製造している中国電機製造(株)(広島市)と量産化への交渉を進めている。今月十二日から福山市御幸町のビッグローズで開かれる「びんご産業市場」にも出展してデモンストレーションし、販売希望者を募る。藤井代表は「商品価値の高い竹酢液を低コストで製造できる。ヒット商品に育てたい」と意欲を話す。
竹酢液の主成分は酢酸。農家で病害虫の予防や土壌改良などに利用されていることから、農家向けの需要を見込むほか、生活用品と組み合わせたヒット商品も出回っていることから、竹酢液を利用したアイデア商品を製造する業者などに、低価格で質の良い原料を製造できる装置として売り込む。また高級酒の蒸留装置の仕組みを応用していることから、酒類製造工場にもPRする。
山口百恵が歌ってヒットした「いい日旅立ち」が二十五年の歳月を超えて、JR西日本のキャンペーン・ソング「いい日旅立ち・西へ」に生まれ変わった。作詞者は数々のヒット曲を生んだ谷村新司。一昨年は、発売したアルバム「半空 NAKAZORA」の中に尾道で生まれた歌も収録、当地域で話題となった。
その谷村新司さんを取材した産経新聞の記事「わたしの旅」(03年12月29日付)を大切に保管して、機会あるごとに紹介するのは宮地康隆尾道商工会議所副会頭((株)ミヤジ社長)。「国を愛する心をもう少し子どもたちに伝えたい。自分たちの国に誇りを持たなくては世界に出て軽蔑される」との思いを強くしている。
産経新聞の記事には外国を旅しながら歌ってきた谷村新司さんの思い出が載っており、宮地副会頭が引用するのは「日本から離れてみると、日本のいい面、危ない面がはっきり見えます。アジアで日本はナンバーワンだと勘違いしている人がいますが、ほかのアジアの国は世界との会話ができている」という部分。
記事の締めくくりは「目先にとらわれている日本と百年先の話をする中国」との違いから「そういうことに気づいてくれる人が増えてほしいのです」と結んでいる。
また宮地副会頭は二十年以上前、経済同友会の活動を問うたとき、丸善製薬(株)の日暮兵士郎会長が「間尺に合わない勉強をするところ」と答えた思い出も付け加える。経済一遍倒で走ってきた日本経済。間尺に合わない不合理なものとして子どもの教育を扱ってこなかったか。自戒を込めて経済界の猛省を促している。
経済の三要素はヒト、モノ、カネと分かっていても、目先だけを考えればヒトは集めればよいという発想になる。日本人が優秀な人材の宝庫だった時代ならそれでよかった。世代を重ねるうち、日本人のスケールが小さくなったのか、社会(世界)の寸法の方が大きく変わってしまったのか。今は間尺に合わない努力であっても、それを怠れば世界の間尺に合わない日本となる。
モノとカネをこねくり回しても自殺者が三万人を超える日本経済。厚い壁がはばかり、経済の先行きには暗澹たるものを感じる。こうした時代に百年先の間尺を考えようとする経済界リーダーの動きには心を強くするばかりだ。
イラク復興支援への自衛隊派遣が本格化している。報道によれば、志願する隊員も多く、選定からもれた隊員が「貢献したかった」と悔しがっていると聞く。現地でも歓迎されている。
「いい日旅立ち・西へ」を新鮮な歌として口ずさむ世代にも、まだまだ間尺に合った人材は育っているようだ。日本の将来も捨てたもんじゃない。歌に込められたメッセージに気づく人がますます増えることを願いたい。
二月十一日は建国記念の日。昭和四十一年十二月九日に公布・施行された国民の祝日。国民の祝日に関する法律にはその目的として「建国をしのび、国を愛する心を養う」と記載されている。(J)