啓文社の児玉さんが「尾道坂道書店事件簿」発刊
書籍販売地場大手の(株)啓文社(尾道市)に勤務する商品部部長の児玉憲宗さん(47)がエッセイ集「尾道坂道書店事件簿」を発刊、2月17日から啓文社もちろん、全国の主要書店で販売が始まった。
同書は啓文社に入社して以来、地元出身者の著書から地元を題材にした本までほぼ全てを把握する立場にあり続ける児玉さんが、先輩から聞いた古き良き時代の逸話も含めて本にまつわる多面的なエピソードをつづっている。
同エッセイは出版元の(株)本の雑誌社(東京都)の「WEB本の雑誌」に3年半にわたって連載したエッセイコラムを加筆、修正して出版した。
本が好きで入った仕事現場で出くわすクレーム処理。「棚がかすんでいる」と禅問答のような注意を与える先輩。店舗面積の違う店ごとに違う品揃えの工夫。そして人一倍自信があった体を悪性リンパ種に侵されて始まった闘病と車椅子での生活。作家光原百合さんに指導してもらえる尾道大学の学生と出版された「尾道草紙」への賛意。小林和作と啓文社社長の逸話。漫画家かわぐちかいじ誕生秘話。島田荘司選福山ミステリー文学新人賞に選考委員として関わった感想―など本を販売する立場ならでの視点で本を取り巻く人との出会いを中心に紹介している。
こぼれ話―タイトル
鞆架橋の対立物語 歩み寄る解決策は?
まちかどピックアップ --------2009年3月1日号掲載
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おしゃれなお花屋さん
お祖父さんとお父さんがお花屋さんだったという花屋の血統。花の魅力いっぱいの環境で育ったサラブレッド、『アイビー花物語』の店主小川美穂さん。今から9年前に尾道市高須町に店舗を構え、営業を開始した◆これからは桃の節句の「ひな祭り」から、「卒業式」、「入学式」、「母の日」と喜び溢れるイベントが続くと同時に、色鮮やかな花が旬となる時期を迎える。こんな時期だからこそ花束や寄せ鉢など、フラワーデザイナーがプロデュースするセンス溢れるギフトはプレゼントに最適◆さらに「手作りのフラワーギフトを贈りたい」という欲張りなお客さんにはこんなのはいかが?『アイビー花物語』ではフラワーアレンジメント教室を実施しており、初心者でも素敵な花の作品ができるように楽しく指導してくれる。午前、午後、夕方、土曜など、ライフスタイルに合わせた教室を開講中。何しろ『アイビー花物語』は社団法人日本フラワーデザイナー協会公認の教室。お花屋さんの裏技を伝授できる◆4月からの教室は「母の日」をテーマに開講予定。日ごろお世話になっている感謝の意をこめ、手作り花の贈り物はいかが?
まちかどピックアップ --------2009年3月1日号掲載
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プロ目指す地元作家の支援拠点へ
福山を中心とした地元作家を応援するコミニュケーションサイト「アーティストバンク ちょこはぴ倶楽部」(アドレス=http://chocohapi.com/)を運営する三藤直子さん(写真)。医療秘書として勤務後、ラッピングコーディネータ資格を取得し、創作活動に取り組む人たちとの交流が深まる中で、作品発表の場が少ないと実感、「自分たちの手で発表の場を作ろう」と奮起し3年前に立ち上げた◆市内を中心にギャラリーやカフェ、ホテル、商業施設を会場に登録アーティストの作品を紹介するイベントは近く20回を数える。1月には天満屋福山店で「新春アートフェア」も開いた◆現在の活動の拠点は昨年10月にオープンした「ちょこはぴ倶楽部in福山LOTZ」。登録作家38人のうち15人のプロフィールをパネルで紹介しており、ものづくりをきっかけに「人と人」「人と作品」「作品と作品」の出会いを提供する。イベント時の作品販売やワークショップ、個展、ライブなどで共感の輪を広げており、多様なジャンルの若いアーティストがプロを目指すための支援拠点として一層の成長を目指す。
まちかどピックアップ --------2009年3月1日号掲載
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幸せは 昔から 甘いものから
尾道北部にある道の駅「クロスロードみつぎ」で常に人気の上位にいるのが近藤製菓店のどら焼き。前駅長が1年がかりで口説き落として並んだ商品だ。休日などは増産の要請があっても一人で手作りしているため数に限りがある◆製造販売している店は国道184号線の府中分かれの交差点の近くにある昭和の匂いのする木枠のガラス戸の店で、店番はお母さん。近藤製菓店はオーナーの近藤修司さんの父昇さんが昭和30年に煎餅屋として創業、その「みつきせんべい」は小麦粉で作る和風のビスケットのようで、現在でも御調名物として茶の子などにも使われている◆どら焼きは24、5年前から始めた。タイミングがよければ、お店の鉄板の上でどら焼きの皮を焼いたり、煎餅を作っている近藤さんの姿を見ることができ、焼き立てを食べられる◆どら焼きの特徴は昔ながらの優しい甘さ。「甘いのは甘いもの」というようにちゃんと甘さを出していて、甘いものを食べた満足感と幸せが残る。◎みつきせんべい(4枚入り)1袋¥80、箱入り(8袋入り〜)¥750〜◎どら焼き1個¥105。
まちかどピックアップ --------2009年3月1日号掲載
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備後絣の伝統を伝承する市民の活動拠点
備後絣の歴史を伝え、文化を伝承する拠点となっている「福山市しんいち歴史民俗博物館」。展示室では現在「織りとパッチワーク展」が3期に分けて開催されており、3月7日から4月5日までは第3期の展示が始まる◆富田久三郎が1853(嘉永6)年に考案した「井桁絣」。明治元年に「備後絣」と名付けて大阪へ出荷され、一大産業への基礎がつくられた。そんな時代を感じさせる機織り機も展示され、機織り技術の伝承のため、実機を使った講習会も定期的に開かれている。平成20年に「あしな文化財センター」を隣接して新築、一体的に使用できる1階には機実演室や研修室も完備され、以前は点在していた伝習会【はたおと】の研修会場として、またパッチワーク・創美会の活動拠点となっている◆備後絣だけでなく、遺跡の発掘調査で見つかった石器、土器などは主に2階に展示され、旧石器時代から古墳時代へと心を誘う。文化財センターの収蔵庫(非公開)にはおびただしい数の土器破片などがあり、別室で「大地2号遺跡」「矢立遺跡」の出土品を中心に分析、組み立て再現など地道な作業が続いている。