岩子島のゆるぎ岩は方位岩?
十二月二十二日の冬至の日。今年も太陽が尾道の千光寺本堂正面に上がる。冬至の日の出を千光寺境内から眺めるイベントが今年も計画されている。
例年七時十五分に向島の山から太陽が顔を出し、約百人が歓声をあげる。冬至の太陽はこの日を境に夏至の日まで南中高度を上げていく。
次々に新しい発見が新たな謎を呼ぶ尾道の古代ロマン。解明に挑む尾道大学芸術文化学部美術学科の稲田全示教授と田村禎英講師は今年、尾道水道の西端に位置する岩子島の山頂付近にある奇岩「ゆるぎ岩」の不思議を発見している。
幅約二m、細長い岩は大人なら揺るがすことができそうなほど危うい様子で台座の岩に載る。旧向島町が昭和五十九年に天然記念物に指定した「ゆるぎ岩」の危うさは全国に多いゆるぎ岩の中でも突出している。
台座に載った細長い岩は矢印のように一つの方向をさす。稲田教授はこの方向が真北であることに気がつき、方位岩であった可能性を指摘する。加えて近くの大岩に人工的にあけられた小さな穴を基準点にすると冬至の太陽が沈む方向に海を挟んで峰の薬師(三原市鉢ケ峰町の鉢ケ峰中腹)が鎮座し、真北にゆるぎ岩という位置関係が成り立つ。
尾道水道の西の入り口にあった不思議な岩は、また一つ大地の記憶をよみがえらせようとしている。
尾道市が「景観計画」策定
尾道市(亀田良一市長)の景観計画が十一月十七日に決定され、全体像が明らかになった。残る建物の高さや意匠などの景観地区基準事項と十二月の市議会で審議される尾道市屋外広告物条例が決まれば、ほぼルール全てが決まり、来年四月一日施行へ手順を踏むばかりとなる。
景観地区の都市計画は十二月二十五日の都市計画審議会から答申され、県知事の同意も得られる見込みで、屋外広告物条例は十二月の市議会で決議されれば、来年四月一日施行となる。
尾道水道を挟み、JR尾道駅付近から尾道大橋付近までの見通せるエリアは「景観地区」に指定され、これまでの都市計画に加えて厳しい制限が設けられる。建築物の新築や増改築、外観変更などを行う際には申請が必要となり、認定を受けて着工することになる。認定証を表示しなかった場合は三十万円以下の罰金、認定を受けずに茶工した場合は五十万円以下の罰金、変更命令に違反した場合は一年以下の懲役または五十万円以下の罰金となる。
景観地区内には高さ制限区域が設けられる。七区域に分けられ、建築物の高さが最高二十七m、低い区域で最高十五mの四段階の高さ制限区域になる。
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高校生にプロが魚のさばき方を指導
尾道鮮魚仲買協同組合(波多野吉成組合長、二十社)と鮮魚、魚介類卸のケンスイ(株)(尾道市東尾道、柏野宏社長)は十一月二十日、広島県立尾道東高等学校で課題研究として家庭科を選択している三年生十四人を対象に「魚のさばき方」を実演、指導した。
指導者はプロとして魚をさばく九人。各グループに分かれて実習。初めて魚をさばく生徒がほとんどで、指導を受けながら恐る恐る魚をさばいて調理した。
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三原で産学官連携シンポジウム
三原市や商議所、県立広島大学などでつくる三原地域連携推進協議会は十一月二十四日、三原グランドパレスで産学官連携シンポジウムを開催。「既存技術と先端技術の融合~産学官連携の課題と展望~」をテーマに講演とパネル討論を行い、約四十人が聴講した。
県立広島大学地域連携センター長の野原建一教授が「これからの産学公民連携のあり方」と題して講演。「出前講座など県全域で成果を紹介する事業を展開中。金融機関とも提携し、企業とのネットワークも拡大している」と取り組みを報告した。また大学人材、シーズ、施設の効果的活用を提案し、従来の「産学官」から地域住民も含めた「産学公民」によるコミュニティビジネスでの地域活性の必要性を訴えた。
大阪大学工学研究科の金子真教授は人間とロボットの共生を「超速ハイパーヒューマン技術が開く新世界」とのテーマで提案。発想の転換を呼びかけた。
パネル討論は、二氏と県立広島大学の小野武也教授、(株)DNPプレシジョンデバイス(三原市沼田西町)の花本恵嗣常務取締役工場長、(株)ニホンケミカル(同本郷町)村上正司社長、(株)広島情報シンフォニー(広島市)森隆男取締役がパネリスト、推進協産学官連携コーディネータの前田祐司氏を司会に進められた。
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七類堂墨呑氏が雪舟と同じ「天童第一座」拝号
水墨画の代名詞のように著名な室町時代の画聖、雪舟が平成の現代に再来した。しかも尾道市で。にわかには信じられないような、世界も驚く事実が静かに進行している。
尾道市潮見町に「アトリエ鴉笑舎(あしょうしゃ)」を構える七類堂墨呑氏が中国南宋五山の一つであの栄西、道元も学び、雪舟が新境地の画法を得たという天童禅寺(浙江省寧波市)から五月十八日、「天童第一座」の称号を授与された。
「天童第一座」とは平たく言えば雪舟と名乗っても許されるほど位の高い称号を得たということ。実に「天童第一座」を授与されたのは五百四十年ぶり。千七百年の歴史を誇る天童禅寺にとっても栄西、雪舟についで日本人三人目という快挙になる。
■天童禅寺
天童禅寺の正式名は太白山天童禅寺で中国浙江省・寧波(ニンポー)市にある南宋五山の一つ。
臨済宗開祖で茶道の元を日本へ伝えた栄西禅師(1141―1215)、曹洞宗開祖の道元禅師(1200―1253)が天童禅寺に渡り、禅宗の教えを持ち帰った。
■天童第一座
天童禅寺の「天童第一座」は高位を表す称号。「天童首座(てんどうしゅそ)」の証としてこれまでに日本人では栄西、雪舟の二人に与えられたのみ。特に中国では「天童首座」=雪舟との認識を持つ。中国が世界の十大芸術家の一人に雪舟を挙げていることからも「天童首座」の重みが分かる。
■七類堂墨呑氏
七類堂墨呑氏は昭和三十六年八月九日広島県尾道市の因島生まれ。大阪芸術大学在学中から道釈画の研究を始めたが、専攻は洋画。卒業後東洋画に転向、十三年間は尾道市内で中学校教諭を務めながら制作活動を続ける。平成二年第三十一回日本南画院展初出品で入選。以降連続入選を果たす一方、平成七年から臨済宗大本山佛通寺管長璞翁宗訓老大師に師事、参禅を始める。
今年三月にはスペイン国立プラド美術館に作品が永久収蔵されるなど国際的な評価が一気に高まっている。
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三原「浮城まつり」に甲冑武者行列
三原の秋祭りとしての定着を目指し今回で三回目となった「三原浮城祭り」が十一月十二日にJR三原駅周辺や市街地商店街などで開かれ、好天に恵まれて家族連れら二万八千人(実行委員会発表)が来場。城下町らしい演出が盛りだくさんとなったイベントを楽しんだ。
会場では、甲冑を身にまとった三原青年会議所メンバー二十人の武者行列が駅周辺を練り歩く姿に歓声が上がった。駅前ステージでは午前の太鼓演奏、子ども神楽の上演に続いて午後一時からは三原市大和町の雅良会により雅楽演奏が披露され、国民文化祭出演経験もある同会の雅やかな音色を味わった。
三原市武道館では広島藩三原領武術の佐分利(さぶり)流槍術と信抜(しんぬき)流居合剣法の特別演武を披露。観客は息を呑んで見守った。
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笠岡でラジコンヘリの国際大会
ヒロボー(株)(府中市)は十一月五日、笠岡市の笠岡ふれあい空港でラジコン・ヘリコプターの操縦技術を競う第十九回「ヒロボーカップ 2006 インターナショナル グランドファイナルin笠岡」を開催、国内予選を勝ち抜いた地区チャンピオン八人、中国、韓国、イタリアといった海外からの八人、特別シード一人、永久シード五人の合計二十一選手が規定プログラムの飛行で熱戦を繰り広げた。
会場ではヒロボー製ラジオ・コントロール(R/C)ヘリコプターによるデモフライトや今話題の室内専用電動R/Cヘリコプターの飛行実演、模型関連の協賛各社がミニチュアモデルやコントローラーを並べた販売ブース、フリーマーケット、チャリティ百円宝くじなどがあり、大勢の来場者はイベント気分で競技を楽しんでいた。
審査の結果、埼玉県から出場した山本慎太郎君(14)と栃木県からの高山裕志選手が同点でグランドチャンピオンの座を分け合った。
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因島重井商工業団地が完売
尾道市因島重井町、因島重井商工業団地に地元企業の(有)柏原工業の進出が決まり、同団地の全区画を完売した。
十月二十日、尾道市と柏原工業の間で土地売買契約を締結し正式に同団地への進出が決まった。
金属加工部品製造工場及び保管倉庫、事務所棟を建設する工事に着工し、平成十九年四月から従業員五人で操業を始める予定。
因島重井商工業団地は、平成十年、旧因島市が造成工事に着手し、十五年四月から分譲を始めた。造成面積三万三千二百平方m、分譲面積二万八十六平方m。
これまでに地元企業の(株)岡恒鋏工場、(有)四辻製作所、(有)はと印刷、市外からは今治市に本社を置く四国溶材(株)の合計四社が進出し、操業を始めている。
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