新生「中国バス」が運行始める
経営再建のため両備バス(株)(岡山市)が事業を引き継ぐ中国バス(株)(福山市)は、十二月二十二日、新会社の(株)中国バス(小嶋光信社長=両備バス社長)による運行がスタートした。
新会社は両備バスが全額出資し、役員三人を派遣する。旧中国バスの営業権も含めて土地、建物、バスなど事業継承に必要な購入代金は約十八億円で取得した。
従業員三百七十人のうち退職者を除く九割強は新会社で再雇用した。車両は約二百二十八台。
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因の島ガスの天然ガス転換事業が本格化
因の島ガス(株)(尾道市因島土生町)は、因島地区で都市ガスを供給している約六千戸へ、天然ガス転換作業が本格化する。
すでに配管などの施設は平成十六年から転換に向けた準備作業が進められており、家庭や職場など供給先に案内を配布して協力を呼びかけている。
計画では、平成十九年八月から転換作業がスタート、今まで使っているガス機具のバーナー、ノズル、器具栓などの部品交換を無料で行い、二十年六月から八月までの三カ月をかけて地域ごとに天然ガス切り替え作業を実施する。
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井上建設(株)が3階部増築の新工法代理店に
公共工事主力の井上建設(株)(三原市)が住宅建築分野の新規事業に注力している。
二階建て住宅を建て替えることなく三階建て住宅に改築する画期的な工法「ミラクル・スリー」や、ローコストマンションの工法を提案する全国ネットワーク「ヒーローマンション」、注文木造住宅の徹底したコスト削減に取り組む全国ネットワーク「ジャーブネット」、マンションなどの賃貸物件の家賃保証システム「スーパーサブリース」(日本管理センター)が新規事業の柱。
「ミラクル・スリー」は建物に住みながら、営業しながら二階建てを三階建てに増築、建物を生まれ変わらせる工法。階層数に関わらず既存建物の周囲に柱を立て既存建物の上空に増築する。
井上建設は中国・四国エリア正規代理店として営業、施工を行う。
「ヒーローマンション」は寒冷地で培った強固さを魔法瓶の中の居住空間に例え、快適性、環境配慮、経済性を特長に、全国へフランチャイズ加盟店を増やしている。
「ジャーブネット」は木造住宅を建設する工務店の全国ネットワーク。大量一括共同仕入れを行い、コストを削減。安く建てる工夫を加盟する全社で共有している。
「スーパーサブリース」は日本管理センター(株)(東京都)が最長三十五年の家賃保証をアパート、マンション経営者向けに行うシステム。
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(株)オンラインが学生服販売事業「スクールキャロッツ」を開始
ユニフォームデザイン・ソフト開発・経営コンサルティング業を行う(株)オンライン(福山市)は十二月二十日、加茂町から会社を移転。十一月に広島県の経営革新支援企業に承認されたことを追い風に、学生服の安価での販売を行うスクールキャロッツ事業部(℡084・944・7820)の周知を加速させている。
通常、素材メーカー、商社、アパレルメーカー、卸や問屋、小売店や量販店の流通を経て学校で販売されている学生服を、無駄な流通を省き、より安価で販売するのが同事業の趣旨。
流通過程の省略やヤマト運輸(株)との提携など徹底したコスト削減を行い、商品によっては通常価格の半額以下での販売を可能にした。
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マンスリーマンション運営に(株)タカハシが進出
アパマンショップなど不動産取引の(株)タカハシ(尾道市)はこのほど、空き部屋をすぐに生活できる状態にして短期で貸し出すマンスリーマンションの全国ネットワーク「ミスタービジネス」に加盟、長期出張者などのニーズに応え始めた。
「ミスタービジネス」はマンションを短期で貸し出す事業。空室となったマンションの一室にベッド、テレビ、冷蔵庫、掃除機、食器、鍋、包丁、ふきん、スプーン、洗剤など生活必需品八十品目をそろえて一カ月単位でホテル並みの気軽さで貸し出す。
(株)タカハシは福山、尾道を中心に「ミスタービジネス」用の部屋を戸建住宅も含め二十室ほど準備、十一月から営業活動を始めた。
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店舗ディスプレイの(株)パズルが業績拡大
店舗ディスプレイなどの(株)パズル(福山市)は、県外を中心に受注件数を昨年の二倍に引き上げ、積極的に人材採用も続けるなど、順調に業績を拡大している。
同社は店舗、オフィスを中心とした内装ディスプレイ業者。平成十五年七月の設立当初から、若いスタッフの感性を武器に県外で受注を拡大している。
パズルの受注件数は、平成十七年度の二十二件から今年度は十一月末で既に約四十件と順調に倍増。東京、大阪での営業も強化させているほか九州、四国でも商談が進む。
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中屋本舗が長江口店を新築
菓子製造販売の(有)中屋本舗(尾道市)は十二月十二日、同社で最も古かった長江口店を創業七十周年記念として新築オープンさせた。
長江口店は一階に菓子の販売コーナー、二階に作品展示と喫茶の「中屋菓寮」を設け、オープン記念として来年一月十五日まで女流画家の宮谷順子さんの作品展を開いている。
二階の中屋菓寮は気軽な作品展示場所として絵画や版画、キルトなど壁掛け型の展示スペースとして利用してもらう。喫茶は二十八席。
長江店(℡0848・37・2580)の営業は菓子コーナーは午前九時から午後六時、中屋菓寮は午前十時から午後六時まで。
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岩子島のゆるぎ岩は方位岩?
十二月二十二日の冬至の日。今年も太陽が尾道の千光寺本堂正面に上がる。冬至の日の出を千光寺境内から眺めるイベントが今年も計画されている。
例年七時十五分に向島の山から太陽が顔を出し、約百人が歓声をあげる。冬至の太陽はこの日を境に夏至の日まで南中高度を上げていく。
次々に新しい発見が新たな謎を呼ぶ尾道の古代ロマン。解明に挑む尾道大学芸術文化学部美術学科の稲田全示教授と田村禎英講師は今年、尾道水道の西端に位置する岩子島の山頂付近にある奇岩「ゆるぎ岩」の不思議を発見している。
幅約二m、細長い岩は大人なら揺るがすことができそうなほど危うい様子で台座の岩に載る。旧向島町が昭和五十九年に天然記念物に指定した「ゆるぎ岩」の危うさは全国に多いゆるぎ岩の中でも突出している。
台座に載った細長い岩は矢印のように一つの方向をさす。稲田教授はこの方向が真北であることに気がつき、方位岩であった可能性を指摘する。加えて近くの大岩に人工的にあけられた小さな穴を基準点にすると冬至の太陽が沈む方向に海を挟んで峰の薬師(三原市鉢ケ峰町の鉢ケ峰中腹)が鎮座し、真北にゆるぎ岩という位置関係が成り立つ。
尾道水道の西の入り口にあった不思議な岩は、また一つ大地の記憶をよみがえらせようとしている。